帰洛の御挨拶と復刊ドットコムの御利益など。

No.2984

 昨夜、伊豆より帰洛しました。
 調査予定地をほぼ完全に回ることが出来ました。三島では三島大社・伊豆国分寺跡、韮山では円成寺遺跡(北条氏居館跡)をはじめ、願成就院など北条氏関係の諸寺、山木館跡、奈古谷の毘沙門堂(文覚の流謫地)、伊東では伊東氏館跡推定地・墓所、修善寺では修禅寺をはじめ頼家や範頼の墓所などを回り、さらに豊受大神宮領蒲屋御厨の故地にあたる下田市の稲田寺では角田文衛先生が『奥州平泉黄金の世紀』に紹介され、長く気になっていた阿弥陀如来像を実見する機会を得て参りました。
 臨済宗の最高学府に勤務されている山田邦和先生(研究協力者)のおかげをもちまして、某寺では貴重な寺宝を拝観することも出来ました。それにしても、伊豆半島の東海岸と中央部および三津など西海岸の一部をくまなく踏査致しましたので、伊豆の中世前期の流通・交通形態を考えるための地理的環境をおおよそつかむことが出来、田方郡の下田街道と狩野川の交差する地点に本拠をおいていた在庁北条氏にたいする評価を明確にすることができました。
 やはり行ってみないと分からないこということを実感しましたが、さすがに耄碌気味(頼朝の寿命をもう通り越しています)ですから、体力は消耗しました。
 今回の成果は、研究課題に即した論文のみならずミネルヴァ日本評伝選『北条時政』に還元できるものと思います。
 なお、三島で高額(1260円)なのを無理をして、名物「鰻そば」を食しました。その結果、「鰻は三島に限る」は至言であることが分かりました。

 山内さんのゼミ旅行日程案内は、旅先にてケータイで拝読いたしました。たいへん細かいところまでありがとうございました。これだけ決めておけば、さらにいろいろな希望も取り入れて意義深い旅行が出来ることと思います。
 八井君も自弁添乗員としてぜひ参加してください。
    ↓
 ☆ 青山学院大学史学科や聖徳大学日本文化学科の野口ゼミ出身者のみなさんは東京・千葉周辺にお住まいの方が多いと思いますので、よかったら後輩の活躍ぶりを御覧にお出で下さい。
 ちなみに、東京の下町歴史散歩というのは、私が青山学院大の学生時代に、下町出身のチャキチャキの江戸っ子だった故・保坂榮一先生(西洋史、のち青山学院大学学長・私学共済理事長)が、大勢の学生を連れてしばしば開催してくださった思い出深いイベントです。

 ★ ところで、復刊ドットコムに拙著が取り上げられたことを紹介させていただいたところ、何人かの方がさらに投票してくださったようで、ありがとうございました。そのコメントで拙著(第一論文集)が母校の図書館にもないことが判明しました。刊行時に買ってくれなかったことに腹を立てるよりも、寄贈していなかったことを反省し、なんとか後輩のお役に立てるように対応したいと思っています。
 もっとも、奇特な出版社が再刊してくだされば、一番なのですが。→NO.2973

 ※ 年末年始は家に籠もって執筆に専念するつもりでしたが、さっそく資料に窮して、明日は研究室に出かけることになってしまいました。

伊豆調査旅行、御礼

No.2985

>野口実先生
伊豆旅行に妻ともどもご一緒させていただき、感謝感謝でございます。とにかく伊豆というのはまったく知らない土地でしたので、私の意識の中でははるか遠い彼方の国でした。伊豆の北条氏とか源頼朝配流地といっても、まったく外国と変わりませんでした。それを打ち砕いていただきましたので、今回の旅行はとくに意義深く感じました。
印象に残っているのはなんといっても韮山の平野です。伊東とか下田はやはり港中心の小さな独立体だと思いましたが、韮山―三島だけは伊豆の中でも別格ですね。詳しくはわかりませんが、伊東氏や工藤氏(野口先生に拠ると工藤静香さんのご先祖様の可能性が???)等と、韮山の平野部を基礎とする北条氏とは、やはり性格の違いがあるように感じました。
また、北条氏の本拠たる韮山の「御所の内遺跡群(円成寺遺跡など)」が、小さいけれども整然とした方格の都市地割を持っているのにも驚愕しました。さらに、戦国時代の「堀越公方御所」がその北条氏の遺跡を受け継いでいるのも、勉強不足でぜんぜん知らなかったとはいえ、びっくりびっくりです。
ともあれ、「旅は知識だ」という言葉を実感させていただいた三日間でした。ありがとうございました。
(やっぱり、海を眺めているのはいいですね←海の無い都市に育った山田でした)

復刊ドットコムの件、訂正

佐伯真一
No.2986

ご無沙汰しております。
復刊ドットコムの『坂東武士団の成立と発展』、
実は私も一票入れましたが、
青山学院大学図書館にないというのは私の誤記です。
以前、「無い」という話を聞いていたせいで、
私自身は国会でコピーをとったりしていたため、
確かめもせずに書いてしまいましたが、
OPACで引いたらちゃんとあります。
あちこちにご迷惑をおかけしたこと、お詫び致します。

佐伯先生のお墨付き。※「壮行会」

No.2987

 佐伯先生、こちらこそ、新著が書けないことを糾弾されないように、復刊に話をそらせようとする謀略をめぐらせたために、かえって御迷惑をおかけする結果となり、申し訳ありません。
 しかし、佐伯先生が一票を投じてくださったと云うことが公表されたのは、当方にとっては宣伝効果抜群で、ありがたい限りです。これで、拙著も国文学研究者の間で一定の評価が得られ、出版社の中には再刊に名乗りを上げる・・・となれば幸いなのですが。
 ちなみに、この拙著、さすがに20年以上も前のものですから、訂正すべき点は少なからぬものがあります。

 ところで、たしか『台記』研究会で佐伯先生の『戦場の精神史』の書評会をする予定になっていたと思うのですが、担当は長村君でしたっけ?
 佐伯先生の御臨席のもとで、という形で実現できれば最高だと思うのですが。

 ※ さきほど、研究室に出かけて、諸資料を搬出して参りました。ついでに、パソコンを開いてみたら、国文3回の廣政さんからメールが届いておりました。選考にパスされて、2月末から中国へ留学されるとのことです。これは「壮行会」ものですね。

おかえりなさい♪

No.2988

野口先生、山田先生、おかえりまさいませ♪
先生方の伊豆での調査旅行記を拝見し、私も旅に出たい衝動にかられています・・・☆
伊豆は二回生の時に先生の北条政子の講義で出てきて以来国内の行ってみたい場所場所ランキングの常に上位にあり、またいつかのゼミ旅行で「お流れ」になったいわくつきの場所でもあるので時期を見計らってぜひともゼミ旅行以外でもリベンジしてみたいところです。

さてさて、廣政さんの中国留学決定、おめでとうございます(^ー^)これは先生もおっしゃるように「壮行会」モノですね♪
出発が二月末ということで、ゼミ旅行の前には開催したいものです。廣政さんのご都合もあることですし、ぜひご本人の希望もきいて実行したいですね。
言い出しっぺ・・・は先生ですが幹事は二番目の言い出しっぺである私が務めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか?
ぜひぜひ廣政さんご本人からの書き込みもお待ちしております♪♪

ご無沙汰しております。

廣政 愛
No.2990

長らくご無沙汰しております・・・。京女国文3回生の廣政です。
上記にて先生にご説明頂いた通り、この度私と史学科1回生の計2名が協定留学生として、北京の中国人民大学で1年間学ばせてもらえる事になりました。
第1期生という事でプレッシャーもあるのですが、健康に気をつけて学んで来たいと思います。

壮行会の件ですが、温かいお心遣い本当にありがとうございます。幽霊ゼミ生の私の為にその様な会を催して下さるなんてとても光栄です!


私の予定ですが、1月22日以降は留学説明会が何回か入るかもしれませんが基本的に空いております。
出国は2月26日頃を予定しております。
夏休みに一度帰国の予定です。

Re: 帰洛の御挨拶と復刊ドットコムの御利益...

No.2991

野口先生・山田先生
おかえりなさいませ。永富さん同様、以前からつのる伊豆に行ってみたいという思いが増しました。

野口先生のご著書の復刊、第二論文集とともに、是が非でも!という気持ちです。
佐伯先生のご著書の書評は、指名をうけた時から、準備せねばと思いながら、他の報告やレポート等に追い立てられていて、しかも古代から近代までを見通された幅広さのため、なかなか進んでいません・・・

最後になりましたが、廣政さん、おめでとうございます!!

こちらにもご迷惑を…

佐伯真一
No.2993

 長村さん、お久しぶりです。
 何かお気の毒な立場にしてしまったようで…。
 私が言うことでもないかもしれませんが、あまりお気になさらないでください。
 さらに別件にそれて恐縮ですが、昨年(ではまだない3月)、ご一緒に旅行した際の成果なども生かした、『物語の舞台を歩く―平家物語』(山川出版)、年が明けて間もなく(2月頃には)出る予定です。また、出てから御礼を申し上げますが。
 昔、一生懸命コピーをとった角川・高田『源義経』といい、復刊・新刊とりまぜて、義経や『平家物語』関連本が続々刊行ですね。時期的にも内容的にも、私のものが最後尾になるのでしょうか(いや、時期が遅いのは、他にもまだあるのかも…)。

義経本

近藤好和
No.2994

佐伯さん>いえ、最後尾は私でしょう。今、四苦八苦。

義経本、付けたり 歳末のご挨拶.

No.2995

 いやいや、これから書こうという物好きもおりますから。
 
 それにしても、外は雪景色となりました。暖かいと思えば、突然の大雪。まさに内外とも(私個人にとっても)多事多難であった一年を象徴するようです。
 今年は、まさに激動の一年で、佐伯先生の仰った屋島・壇ノ浦旅行が、今年であったことが不思議に思われます。
 やむをえなかったとはいえ、父の重病、葬儀により、諸方面に様々なご迷惑をおかけいたしました。深くお詫び申し上げる次第です。
 野口先生とのお約束を辛うじて守れて、安堵いたいております。あんな原稿で何を言うか!とのお叱りが聞こえそうですが、そこは平にご容赦ください。
 学務、研究、執筆、学会関係、それに飲み会?で心身ともに飽和状態の時に、看病、葬儀が割り込んだのですから、精神の均衡さえも保てない状態となりました。
 今も心身ともに疲労困憊です。しばらく隠遁して充電します―といいたいところですが、現下の大学、学界情勢を見るにつけ、そうもいっておられません。
 2月3日、色々な意味で興味深い書評会になりそうです。首を洗ってお待ちしております。
 長村君、何かと便利に仕事を押し付けてしまいました。まるで年預みたいでした。でも、年度中にきちんとするべきことがありますね。雑務は今後しばらく、免除いたします。その代わり、ちゃんとした成果があらへんかったら、ただでは済まへんぞー。

 今年お世話になった各位に心より御礼申し上げます。
 野口先生はじめ、皆様にとって、来年が良き一年となりますことを心より祈り上げております。
 

歳末の御挨拶。

No.2996

 元木先生、御丁寧な御挨拶をたまわり、恐縮いたしております。御高論は「福原遷都論」「平氏軍制論」などで画期的な意味をもつものと思います。御無理を申し上げたことにお詫びを申し上げると共に感謝の念を新たに致しております。
 
 『古代文化』福原特輯号については、全体の原稿が集約された上でまとめられる巻頭の特輯設定の意図について述べる部分などを除いて、ほとんどの原稿が揃いましたので、予定通りに刊行できるものと思います。執筆下さった皆様にあらためてあつく御礼を申し上げます。

 なお、歳末にあたり、当ゼミメンバーならびに日頃当ゼミに御支援を下さっている方々、また、佐賀県小城町の町長さん・町立歴史資料館の古庄さん・村岡総本舗の皆様をはじめ、伊勢・北九州の二度のゼミ旅行の際にいろいろお世話になった各地の方々にも、あつく御礼を申し上げたいと思います。
 このHPを愛読(愛覧?)下さっている皆様ともども、良いお年をお迎え下さい。

皆様よいお年を!

No.2998

本年もまた、野口先生はじめ皆様方には大変お世話になり、ありがとうございました。いろいろな勉強をさせていただきましたが、中世嵯峨と福原京という、ふたつの中世都市の姿を追究できたことがなによりの成果でした。来年はそうした勉学の成果をぼつぼつご披露できる予定です。ともあれ、来年もまたなにとぞよろしく御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

>元木先生  本年はいろいろと大変だったと思います。御父君様のこと、つつしんでお悔やみ申し上げます。その中でも次から次へと精力的に研究を公表されておられる姿に感嘆することしきりです。御高著『保元・平治の乱を読みなおす』石浜さんからお送りいただき、感謝しております。「福原遷都論」も楽しみにしております。

>野口先生  家内ともどもお世話になりっぱなしの一年でした。伊豆の温泉の効き目に驚嘆しております。来年は、元旦からまた原稿書きでバタバタし続けますが、どうかお見捨てなきよう、よろしくお願いもうしあげます。

それでは皆様、どうぞよいお年を!

Re: 帰洛の御挨拶と復刊ドットコムの御利益...

長村祥知
No.3004

佐伯先生
ご無沙汰しております。大変勉強させていただきました感謝も述べず、上のようなことを書き込んでしまい、失礼いたしました。
新著を刊行されるそうで、近藤先生・元木先生のものとともに、今から楽しみにしております。件の旅行の際にも雑談を通していろいろとご教示いただき、改めてお礼申し上げるしだいです。

元木先生
成果。・・・おそろしいかぎりです・・・