文庫カエル

No.2116

文庫カエル、お気に召していただき、ありがとうございます。あのカエルキャラは子供向け解説として作成しているものですが、美術担当学芸員がコリにコッてつくるもので、デテどィールの細かい仕上がりになっています。前回の『鎌倉幕府滅亡展』の時の作品は、鎌倉市中央図書館から郷土資料として登録したいので寄贈依頼がきました。さらには、盗難にあったので追加発送という事態にまでなりました。とかく、高齢者へのサービスに偏りがちな博物館の生涯学習事業の中で、「文庫カエル」は若年層を引き付ける魅力のある強力な武器となっています。わたしが気に入っているのはカエルの商人とカエルの紙漉ですか、「あいつとアイツ」の事情も結構人気があります。、

「金沢文庫(称名寺)裏山死の行進」

No.2120

 永井さん、今月18日から京大文学部日本史の方たちが研修旅行で鎌倉に行かれるとのことなので、元木先生を通して貴館の企画展のことを紹介させていただきました。
 しかしあのカエルの発言はなかなか過激ですね。公立博物館としては、かなり思い切っている。もうすこし、やさしい雰囲気でも良いような気がいたしますが、それでは今の子たちにはインパクトが薄いのでしょうか?
 博物館における教育機能、入館者も多様ですから難題です。しかし、金沢文庫は確固たる学問的裏付けのある博物館として評価が高いからこそ、こうしたことが出来る。一部には地域皇国史観あるいは偏狭な顕彰史観をそのまま展示に反映させているような地方公立博物館もありますからね。そういうところで、漫画など使ったらさぞや、それこそ滑稽でしょう。
 
 ところで、当ゼミにおいて金沢文庫と言えば、すぐに思い出されるのが昨年2月の鎌倉ゼミ旅行の掉尾を飾った「称名寺(金沢文庫)裏山死の行進」。お土産に買った大量の図録類と二泊三日の旅行の荷物一式を抱えながらの強行軍に、流石のゼミ生も疲労困憊といったあの事件です。
 そのときの指揮官、岡陽一郎さんから、さきほど送本確認のお電話を頂きました(岡さん御執筆:藤原良章編『中世のみちを探る』高志書院)。そのさい、すでに拝受の返信を差し上げたと申しあげたのですが、ひょっとすると小生の方に手違いがあったのかも知れません。後刻確認したいと思いますが、諸事、混乱が多いことをお詫び申しあげます。
 
 なお、本日は入間田宣夫先生から葛飾区郷土と天文の博物館編『鎌倉幕府と葛西氏』(名著出版)を御恵送いただきました。取り急ぎ、この場を借りて御礼申しあげます。
 
 本と言えば、山田ちさ子さんからの情報によると、日本中世前期政治史ならびに中世軍記研究者必備の書にして復刊が待望されていた高橋昌明著『清盛以前』が改訂増補版の形で京都の文理閣から今秋刊行されることになった由。大朗報です。
 ちなみに、小生の2つの論文集も誤植が修正されないまま長く絶版状態なのですが・・・。