2015年度公開講座の全体テーマを考えて下さい。

No.19978

 昨日、『紫苑』初校ゲラを印刷屋さんにお渡ししました。
 目下、年度末の事務的な作業が重なって、若干パニック状態に陥っております。
 鎌倉に行くチケットもまだ用意できていない状況です。

 ところで、本年6月27日(土)に開催される公開講座『東山から発信する京都の歴史と文化』最終回の講師の先生から、それぞれの御講演テーマをお知らせ頂きました。いつもは、二つの御講演のテーマに即して、当方で全体テーマを考えているのですが、今回は最後でもありますから、ゼミのメンバー・関係者諸賢の御意見を徴して決めたいと思います。宜しく御助力下さい。
 ちなみに、個別の講演テーマは下記の通りです。(講演順)

 長村祥知先生(京都文化博物館学芸員・日本史学)
            「木曾義仲と京都」

 櫻井陽子先生(駒澤大学教授・日本文学)
            「頼政の射たモノ -平家物語の内と外-」
 
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 また、最終回になりますので、何か特別な企画とか趣向を考えてみたいとも思います。これについても、御意見をお寄せ下さい。

【追記】☆ 渡邊誠先生より、御高論「安芸国の国司神拝」・同「福山瀬戸町の損壊「木造阿弥陀如来坐像」(県重文)の現状」(『芸備地方史研究』第292号)を御恵送頂きました。
 渡辺先生に、あつく御礼を申し上げます。
 なお、後者で紹介された仏像の修理費用の募金に関する情報が芸備地方史研究会HP↓に掲載されています。
 http://home.hiroshima-u.ac.jp/geishi/bokin/index.html
編集:2015/02/24(Tue) 13:49

王権守護と自力救済

元木泰雄
No.19979

 野口先生、23日はお誕生日でしたね。
 まことにおめでとうございます。
 遅ればせながら、お祝い申し上げる次第でございます。
 昔は還暦を超え、60も半ばともなると、すっかり心身ともに「おじいちゃん」でしたが、今では周囲を見回してもまさにご壮健というべき方々ばかり。
 先生もますますご健勝にて、後進をご指導くださいますようにお願い申し上げます。
 早いもので、来年は御定年をお迎えとのこと、さびしい限りです。しかし物は考えようで、現在の我々にとって最大のストレス要因は、大学の「雑務」以外の何物でもありませんから、御定年後は体調も回復され、これまで以上に研究、執筆が進まれることと思います。
 ただ、我々の時代に関する書物はそう爆発的に売れるわけではないので、著述業だけで悠悠自適というのは若干難しいかもしれませんが・・・。
 
 さて、今年度の公開講座には「長村先生」が登壇とのこと。いつまでもかわいらしい感じ(失礼!)がするのですが、彼も身分も学識も、ともに立派な先生ですね。彼に限らず、去年の岩田君をはじめ、野口ゼミの諸兄姉もよく勉強し、成長してくれたと思います。
 昔なら、若い奴らにはまだ負けない、とか思ったのですが、大学雑務の荒波に飲み込まれて、すっかり疲弊してしまい、そんな気力もなくなってしまいました。当方は、定年後のことは一切心配しておりません。今のままなら定年前に死にそうですから・・・

 さて、今年のタイトルは、源義仲と頼政。まさに、王朝権威に歯向かったとされる義仲、鵺退治で帝王の身を守ったとされるように、王権を守護した頼政という対照的なイメージの武将ですね。むろん、義仲も王権を否定したわけではありませんが、『平家物語』に描かれる義仲像は、まさにバーバリアン。それだけに、頼政と対比し、義仲の実像を明らかにすることは、大きな意味があると思います。
 武士、武士政権を考える上で、不可欠の二つの側面、王権守護と自力救済。それを体現する題材のように思いました。テーマも、こうしたことを前提にお考えいただいてはいかがでしょうか?
 ちなみに、2月に入って当方が参加した会議は12件、通算19時間半(もちろん、試験・修論・卒論関係の一般業務以外ですよ!)。人使いの荒い大学です、ほんと。会議手当でもくれないかな・・・
 これがもう一年続きますから、もうまさに衰老の身は万死に一生です。