重盛は摂関家なのか

重政 誠
No.1958

学習院の重政です。
以前書き込みをしたときに、下の方をつらつらと眺めておりましたら、野口先生が『日本歴史』の高橋昌明先生の論文を紹介しておられましたが、先日入手し楽しく拝読しました。
先生のゼミで検証するとおっしゃっておられましたが、どのような議論がなされたのでしょうか?小松家の位置については専門外なのでなんとも言えませんが、後半部の高橋先生も書くのを慎重にしておられた部分は、文学系の私にとりましては非常に興味深い点です。
以前から私もその部分に注目し、重盛の『平家物語』での描写の優越性にはそこら辺の絡みもあるのではと、修士論文でも多少触れておきました。野口先生の意見をお聞かせ願えれば幸いです。

重盛と摂関家。

No.1959

 重政君、こんにちは。小生の書き込みは藪蛇だったみたいですね。ゼミではまだ、検証の機会は得ていませんが、四月から高橋先生の門下への祗候をゆるされた山本君、平田さん、如何ですか?
 高橋先生は重盛が忠実の血を引いていることを想定され、その邸である小松殿の名称も、摂関家が宇治に所有する同名の邸に由来すると考えておられるようです。また、清盛が道長を理想としていたことも指摘されていますから、摂関家との絡みで『平家物語』における平家を評価しなおしてみるのも試みとして面白いと思います。
 いずれにしても重政君自ら、高橋先生の「重盛の母」(『女性史学』7)や「後白河院と平清盛」(『歴史評論』649)を御覧になって検討してみて下さい。また、この掲示板でも紹介させていただいた樋口健太郎氏の『ヒストリア』最新号掲載の論文は平家と摂関家の関係を正面から取り上げていて有益です。
 6月26日の京女の公開講座は高橋先生と兵藤先生にお願いしていますから、兵藤先生と一緒にお出でになって、高橋先生に直接尋ねてみたら如何でしょうか。

 ☆ 例によって「ついでに」、京女の学生さんへ
  宗教部発行の『ふんだりけ』の今月号に、平田さんや永富さんのご活躍を前提に、新入生に向けた文章を掲載しました(野口の写真入り)。L校舎のエレベーター前などに置いてありますから、ぜひ御「笑」覧の上、感想を聞かせてください。