「寒河尼と小山三兄弟」

No.19207

 昨日の「基礎演習Ⅱ」は天気が良く、12:30に全員集合が果たせましたので、東大路まで下り鳥辺野墓地を通って清水寺まで出かけました。
 客観的に大学の位置を確認したり、この前の戦争で亡くなった若い兵隊さんの墓石に平和を考えたり、舞台造りの妙見堂に観光の穴場を発見したり、そこに住むネコさんと戯れたり、清水寺参道の観光客やタクシーの多さに圧倒されたり。
 たまにはフィールドワークもいいものです。
 
 「演習Ⅱ」は京都女子大学の創立に関するお話をしてから、錦華殿を見学。ここも、来るたびに何かしらの発見のあるところです。ちょうど、図書館主催の国文学関連の展観がされていましたので、これも見学。なかなか有意義な時間を過ごすことが出来たと思います。
  さて、「基礎演習Ⅱ」「演習Ⅱ」とも、いよいよ来週から個人ごとの発表が始まります。

昨日、困ったのは、着払いで午前中に届くように頼んでおいた宅急便の荷物がなかなか届かなかったこと。早く届いたら困るので、8時過ぎから研究室に待機して、食事にも出かけないでいたのですが、12時直前になって遅れる旨の電話があり、着いたのは12:25頃。「基礎演習Ⅱ」の出発に影響がありました。それにしても、こんな日に限って。

 宅急便と言えば、帰宅すると『日本歴史』の最新号が5冊届いていました。なんで5冊かというと「歴史手帖」の欄に「寒河尼と小山三兄弟」という拙文が掲載されたから。
 御依頼を頂いて書いたものですが、字数の制約と締切を厳守することばかり考えて、おかしな文章になってしまい、一度差し戻しの上、再投稿して掲載して頂くにいたったものです。編集部には御迷惑をおかけ致しました。
 それにしても、12月の小山氏のシンポの前に間に合ったのは僥倖でした。短文ですが、近年の私の東国武士研究の成果を凝縮した内容と受け取って頂けたら幸いです。御笑覧のうえ御批判を頂くことが出来ればありがたいところです。

武士についてのわりと本質的な話-次回の『吾妻鏡』-

No.19225

 美川圭先生による書評「髙橋昌明『平家と六波羅幕府』」(『新しい歴史学のために』285、2014)に導かれ、あるいは『吾妻鏡』承元四年六月三日条・七月二十日条の記事などから、幕府の本質的な部分について思索をめぐらすことができたように思います。
 鎌倉幕府について考える場合にも、まずは『吾妻鏡』の記述をきちんと整理して、その上で記述の信・不信を検証していく必要があるように思います。地味に『吾妻鏡』を読む講読会は今週末にも開催致します。

◆土曜日のご案内◆

 再三ご案内しましたが、今月から不定期で土曜日にも『吾妻鏡』の講読会を開催します。

 国文学を専攻される方が主なメンバーとなりますが、そのほか従来の木曜日開催分にはでご都合が合わなかった方もぜひ積極的にご参加いただけましたら幸いです。
 なお、こちらのほうも所属大学や国籍等に関係なく、お気軽にご参加ください(※新たにご参加を希望される方は、野口先生か岩田まで、事前にご連絡をいただけると幸いです。すでにご連絡をいただいた方もおられます。ありがたいことです)。

 初回は10/25(土)ですが、その先は参加者の都合を勘案しながら、月に一回か二回程度のペースで予定を立てたいと思います。
 開始時間は、14:00とさせていただきます。
 初回ということで、『吾妻鏡』を講読する上での手引き、『吾妻鏡』そのものについて、今後講読予定の史料のご相談などをさせていただきたいと思います。

 日時:2014年10月25日(土) 14:00~
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』の講読にあたって諸事ご相談

◆次回の木曜日のご案内◆

 日時:2014年10月30日(木)15:00~(予定)…14:00すぎからぼちぼち集まっております。

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:承元四年(1210)八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 ※10月の木曜日の『吾妻鏡』は30日に、11月は6日・13日・20日・27日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は、基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 朝夕冷え込む季節に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。
編集:2014/10/23(Thu) 22:16

 小山市制60周年記念シンポジウム「中世小山氏の成立と発展」の開催について

No.19252

【趣旨】ふるさと小山に「誇り」を抱く上で大きな材料となる藤原秀郷から小山氏の成立、源平の争乱から鎌倉幕府の成立・発展に際し、初代政光と妻寒川尼、そして朝政・宗政・朝光の三兄弟の活躍により、北関東にとどまらず全国に発進した小山氏一族について、著名な研究者から最新の研究成果発表を起爆剤としてその後の小山一族のさらなる研究を進めるものです。
【日時】12月23日(火・祝)午前10時30分から午後4時(午前10時開場)
【会場】小山市立文化センター小ホール
    定員300名、事前申込制(先着、11月4日より受付)
【内容】
10:30開会市長挨拶
10:40~12:00■基調講演「藤原秀郷から小山氏へ」京都女子大学教授野口実氏
12:00~12:45<昼休憩>
12:45~13:25○報告1「朝政と小山氏」栃木県芳賀青年の家所長松本一夫氏
13:25~14:05○報告2「宗政と長沼氏」栃木県立博物館学芸部長江田郁夫氏
14:05~14:15<休憩>
14:15~14:55○報告3「朝光と結城氏」栃木県立文書館古文書専門員荒川善夫氏
14:55~15:35○報告4「紀伊半島の小山氏」茨城大学教授高橋修氏
15:35~15:50<休憩>
15:50~16:30◆パネルディスカッション(各講師による討論)
コーディネーター:國學院大學栃木短期大学教授鍛代敏雄氏
16:30閉会
【問合せ先】栃木県小山市企画政策課 歴史のまちづくり推進担当