第27回平家物語研究会出張報告。

No.1863

 ちょっと東下りしている間に、ずいぶん多くの書き込みがあって驚いております(またしても、平治の乱か?と思ってしまいました)。その対応に追われて(またゼミの皆さんに、掲示板の性格論争を挑まれそうですが)、なかなか本題の書き込みに移れなかったのですが、ようやくにして、昨日、学習院大学(北別館10階、大会議室)で開催された平家研の御報告をさせていただきます。

 まず、『延慶本平家物語』の輪読は、早くも「第六末」に至り、秋田大学の志立正知先生が「延慶本の終結部」というテーマで御報告されました。小生はここで、『延慶本平家物語』の本文に『六代勝事記』と同文の部分があるということをはじめて知りました。また『平家物語』の成立論を論じるために肝要なのは、やはり政治思想史的な視角であることも再認識させられました。いずれにしても、ここに長村君がいてくれたら、いろいろな情報を提供して話を盛り上げてくれたろうにと思いながら、先生方の御意見をうかがっておりました。長村君は是非、国文学の学会にも進出すべきです。その方が歴史学においてより評価されるのが早いかも知れません。ちなみに、余計なお節介かも知れませんが、『紫苑』第2号、貴兄から志立先生に謹呈され、ついでに『勝事記』についての意見をお伝えしたら如何かと思います。
 小生は後白河院の陵墓鳴動のことが気になっていたのですが、時間切れで意見を申しあげることが出来ませんでした。
 
 ついで、研究発表の一番目は、高松百香氏の「興福寺再建と中世摂関家-九条兼実の氏意識-」。これは、日本史の研究発表というのは、こうするのですよ、というお手本のような素晴らしい発表で、史料の取り上げ方も手際よく、ぜひゼミ生にも聴いていただきたいものでした。平家によって焼亡した藤原氏の氏寺・興福寺の再建をとおして、九条兼実の氏意識を、きわめて説得力のある形で解明されました。論文にされたものを読むのが楽しみです。高松さんには、御上洛のついでがありましたら、昨年の伊藤さんのように、ぜひ当ゼミで、お話をしていただければと思っています-と、お願いして参りました。高松さん、ぜひよろしく。

 二本目は、樋口州男先生の「竹内理三の足跡」。押しも押されぬ戦後歴史学の泰斗・竹内理三氏の人となりや研究姿勢を早稲田時代に直接師事された樋口先生が感慨を込めながら語ってくださいました。竹内氏が少年時代に「いじめられっ子」であったことをうかがい、同じ境遇にあった者として共感を感じると共に竹内氏の学問に対する姿勢の淵源を知ることが出来ました。『鎌倉遺文』編纂など、その猛烈なお仕事ぶりについては小生も竹内氏とともに神奈川県史の編纂に従事された小生の恩師・貫達人先生からうかがっておりましたが、本当に想像を絶するものであったようです。地方の研究者などに史料閲覧の便宜を図るなど親切な方であったようですが、小生が中学生の頃、中公の『日本の歴史』(六 武士の登場)の内容について質問の手紙を差し上げたとき、ご返事をいただけなかったのは、残念なことでありました(早稲田大学文学部不合格の伏線か?)。

 といったような塩梅で、いつものように、おおいに勉強をさせていただきました。
 また、兵藤先生には公開講座の件をあらためてお願いして参りました。講座終了後の宴会には御出席いただけるとのこと(長時間可)。また、レジュメをファィル添付の形でメールで送ることになるかも知れないとのことですので、接待役の田中さん・門屋君、よろしくお願いいたします。兵藤先生にも接待役補任の件、お伝えしておきましたからね。

 >元木先生  緊急連絡の書き込みを頂いた際、猛烈に眠かったために、そっけない御返事にて失礼いたしました。PCのウィルスだの、鯉のヘルペスだの、本当にわけの分からぬ時代になってしまいましたですねぇ。

ありがとうございました。

No.1870

初めて投稿致します。都立大学(D4)の高松百香(たかまつももか)と申します。
一昨日は、平家物語研究会で、野口先生にコメントをいただき、またゼミでの報告もお誘いいただき、大変うれしかったです。今年の9月末までに論文にする予定ですので、野口先生のアドバイス―興福寺中金堂本尊の再建が、道長建立の法成寺で行なわれた意義―を生かして執筆したいと思っています。
昨年の平家研合宿でお世話になった皆さん、東京を離れたらしい門屋君、お元気でしょうか?
今後ともよろしくお願い致します。

平家物語研究会のこととウイルスメール

No.1871

野口先生
平家研のご報告、ありがとうございます。所用で参加できず、残念です。高松さんのご報告も聞きたかった…。
ところで、いただいた案内には、今後の研究会のあり方について話し合う旨が書かれていたのですが、その件はどのようになりましたでしょうか。外聞を憚られることもかもしれませんが、気になっておりましたので、あええお尋ねさせていただきました。

ウイルスメールですが、基本的には添付ファイルを開かなければ大丈夫のようですが、開封してしまうだけで、アドレス帖に載っている方々にメールを送ってしまうものもあったかと記憶しております。前にも書きましたが、プレヴューウインドウを非表示にしておいたほうが無難かとは思います。

お久しぶりです。

No.1874

高松さん、お久しぶりです。
わたくし、元気に暮らしております。
東京を離れ、今年度は高校で非常勤をしております。
先日の御発表、伺いたかったのですが、なにせ、高校は
土曜日も授業があるもので、参加できず残念でした。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。

千客万来!!

No.1877

 高松さん、メッセージをありがとうございました。昨年、神戸大での平家研のさい、このBBSを御覧下さっているとうかがっていたので、お待ちしておりました。
 高松さんの御報告は本当に論旨明快で、歴史学の楽しさを実感させてくれるものでした。こういう気持ちの良い研究報告は久しぶりでした。論文の御成稿を楽しみにいたしております(陽明門院の御研究の方も早々の御発表を期待しています)。そして、御上洛の折りには、ぜひ依頼の件、よろしくお願いいたしたく存じます。ゼミ生一同お待ち申しあげております。
 
 石浜さんの御質問、小生も如何なることかと期待と不安を抱いて参加したのですが、要するに今回で『延慶本平家物語』の輪読が終わるので、その後、どうするかというお話でした。結局、継続的なテーマについては今後の課題とし、しばらくは研究発表のみを行う、という結論だったと思います。小生、会の後の懇親会には出席していませんので、そこで更に詰められたのかも知れません。誤りやその後決まったことがございましたら、御出席の方から書き込みをいただければ幸いです。

 今日は2コマの演習の後、続々と研究室にゼミメンバーがやって来られました。山内さん、谷垣さん、長村君。それから久しぶりに「エムニ」の滑川さん。皆さん元気いっぱい。結構なことであります。
 29日の拙宅書架設置のための本・机などの移動作業には、山岡さん・山内さん・長村君にお手伝いをお願いしました。よろしくお願いいたします。当家では28日の夜から暫く大騒動ということになりそうです(腰痛の再発を覚悟)。

 ところで、結構なことと言えば、本日、短初2回生の矢野逸美さんがゼミメンバーに加わりました。矢野さんは京都周辺の大学の史学科への編入を希望されています。
 矢野さんは、昨年度後期の総合教育科目「王朝文化」の講義では最優等生でした。そのうえ、高校時代はソフトボールの選手(>長村君。ソフトボール大会の計画を進めてくださいね。矢野さんは、やる気満々ですから。)。情報関係や簿記の資格、そして運転免許も取得済みという、当ゼミにとっては「喉から手の出る」ような人材です。編入先の選定などについて、みなさん、よろしくご支援下さい。ちなみに、矢野さんの御出身地は山岡さんと同じ愛媛県。その今治市です。
 ゼミメンバーの出身地に、瀬戸内海沿岸が多いのは興味深いことです。明らかに「平家」ですね。矢野さんのご活躍を期待します。
 あっ、それから、矢野さんのご住所は山内さんと同じメゾン○○です。お二人の協力関係の締結を期待します。

 プリンセス永富さんも、目下、将来の方向を確定すべく奮闘中とのこと。いろいろな壁に衝突することもあろうかと思いますが、「うふふ」パワーでかるく乗り切られることと思います。「がんばれ!プリンセス!!」

 ☆ 山田先生の呼びかけ  参加希望の方は、どしどし名乗り出てください。京都の歴史にとって極めて重要な課題です。

Re: 第27回平家物語研究会出張報告。

No.1878

国文学研究は一回生の頃から関心のある分野で、特に平家物語研究会の様々なご報告は、私にとって大変興味深い内容のようですね。長期休暇もしくは関西で開催されましたら参加させていただきたいと切に考えております。

>野口先生・ゼミの皆様
ソフトボール大会、連休中にしますか?
市内ですと場所はどこがいいでしょうか。
もし実家に帰られる方は、連休中に出来るかどうかも分からないので、野球道具を持って帰って来ておいて下さいね。
もしかして矢野さんはもう下宿に用意されてたり・・・しないかな?
皆様のご意見をお待ちしております。

お世話になりました

重政 誠
No.1879

学習院大学の重政です。先日はお世話になりました。
野口先生に「最近書き込みしてくれないじゃない。」との、指摘を受け、遅ればせながら書き込みさせていただきます。
何やかんやで、『平家物語』を研究してないながら研究会に出席の方はさっぱりだった私ではありますが、酔った師に「そろそろ発表....な!」と肩を叩かれてしまいました。
逃れられない運命とは思っております、まぁ教職をはじめまして忙しいので、それとの兼ね合いを図りつつ。
 高松さんも、発表ご苦労様でした。大変勉強になりました。兼実というと、シニカルでアイロニカルなだけの男かと思っておりましたが、吉夢を信じてしまうあたりお茶目な一面があるのですねぇ。多少の胡散臭さはありますが。他人がそんなことをしたら、真っ先に皮肉を言いそうな人ですし。

門屋君も久しぶり。すでにゼミ合宿は、門屋君を呼ぶことを前提に話は進んでいますので、参加よろしく。この研究会も、
「あれ?門屋君は来てないの?」と先生はおっしゃってましたよ......。

今後ともよろしくお願いします。

学習院の皆様。ほか。

No.1880

 重政君、ありがとうございました。今回の平家研は学習院が会場だったこともあって、貴兄や田代さんなどとお目にかかれて幸いでした。たった半年しか経っていないというのに、皆さんすっかり大人びていたのにビックリしました。こちらは「老人びた」でしょう?
 重政君の御報告、期待しています。こちらからは田中さんと門屋君がチャレンジ済みですから。あっ、そうか。門屋君はあのとき、兵藤ゼミ所属でしたね。
 また関西で平家研が開かれることがあれば、当ゼミメンバー大挙出陣の態勢は整っております。すでに長村君(京大院)が立候補しております。
 学習院の皆様、また御上洛の機会がありましたら、ぜひ京女にお立ち寄り下さい。

 >田中さん  神護寺ツアーの方は如何ですか?小生、直前にならないと態度表明できず、申し訳ありません。
 
 >山田先生  6月5日、空けておきます。「人権と共生」というテーマの演習に出席している学生さんにも参加を呼びかけてみます。ただ、京女は土曜の午後、資格課程の講義が目白押しなので、参加したくてもできない学生さんが多いと思います。
 それから、先般は奈良大でのシンポのレジュメをありがとうございました。鎌倉との空間構造の一致は興味深いものがありますが、勉強不足のゆえか嵯峨が都市というのが未だにピンときません。大村拓生氏からも「中世嵯峨の都市的発展と大堰川交通」という御高論をいただきましたので(大村さん、ありがとうございました)、これからすこし勉強させていただきます。

 ☆余談 
 先般、拙著『鎌倉の豪族Ⅰ』がEasy Seekに出ていると書き込みましたところ、即、売り切れとなりました。購入された方、ご連絡下されば正誤表をお送りします。また、『中世東国武士団の研究』の正誤表(ほとんど元木先生の御指摘によるもの)もあります。ご連絡下さい。