今年も8月がちゃんと来ましたね。

No.16659

 先月末締め切りの原稿が漸くできあがりました。拙速で書いた文字通りの拙文です。タイトルは与えて頂いたものなのですが「京都のなかの鎌倉」です。タイトルにそぐわない内容になってしまいましたので、「空間構造と東国武士の活動」という副題を付しました。
 ちなみに、この論文には、下総・伊賀守護であった千葉介の鎌倉末期における在京宿所が何処にあったかを明確に示す史料を紹介致しました。坂口太郎氏の御教示によるものですが、千葉氏研究にとっては注目すべき発見だと思います。
 
 出版社には研究室から添付ファイルで送信しようと思っていたのですが、送信先のアドレスが自宅のPCにしか入っていないのを忘れていましたので、まだ送れていません。まったく日々迂闊の連続です。

 これからはしばらくレポートの評価に時間を集中しなければならないのですが、さまざまな用件が重なっていますので、例のごとく自転車操業の夏休みになりそうです。否、今年は自転車では済まないかも知れません。

 さきほと、大学の購買にボールペンなどを買いに行ったのですが、お店の人に「これからお休みですね」みたいなことを言われたので、「とんでもない、これからが本当の仕事です」というようなことを大声で息巻いてしまいました。まったく、人間が出来ていません、後味の悪いこと限りなしです。
 しかし、ほんとうに当節の大学研究者は、夏休みでさえ、「本務である研究」に没頭する余裕がないのです。大学教員の本務は研究とそれを踏まえた教育なのですゾ。

 最近、巷に出回っている大学をテーマにした書籍や大学教授の特集を載せた総合誌などを見ると、大学は変わったのだという論調が目立ちますが、大学の存在価値は企業などとは異なる価値観に基づいた社会批判や遠い未来まで見通した研究を行うところにあるのであって、突き詰めた言い方をすれば、そうでない機能を要求しているのに「大学」という看板を出させる方がおかしいのだと私は考えています。
 ・・・などと息巻いておりますと、余計暑さが増して参ります。

 ゼミの方も一ヶ月あまりのお休みになりますが、学問研究にお盆休みはありませんから、ゼミメンバー諸姉兄におかれましては「楽しく」研究を進めて下さい。
 そして、いうまでもありませんが、猛暑の候、くれぐれも健康にはお気をつけ下さい。 

【追記】☆ 青山学院大学の藤本頼人先生より、御高論「源頼家像の再検討-文書史料を手がかりに-」(『鎌倉遺文研究』33)を御恵送頂きました。
 藤本先生に、あつくお礼を申し上げます。
 当方のゼミでも、頼家・実朝期の評価については、議論白熱中。とくに岩田君や山本みなみさんが研究成果をどしどし形にされつつあります。
 藤本先生の御意見をうかがえる機会があれば幸いとするところです。
編集:2014/08/02(Sat) 17:00

中断期間-次回の『吾妻鏡』-

No.16660

 夏休みといいますか、伺っているとその間にも研究発表や実習などが立て込んでいる方も多いようで、“休み”という様子ではないように見えますね。「夏の中断期間」は『吾妻鏡』も中断致します。再開に向けて良い準備をしておきたいと思います。

 再開は9月11日(木)ですが、その日は大島さんに『中世の人物』第二巻の書評をシテいただく予定です。しっかり熟読しておきたいと思います。

 日時:2014年9月11日(木)15:00~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 内容:書評「野口実.編『中世の人物 第二巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』」
 担当:大島佳代氏(奈良女子大学)

 ※『吾妻鏡』のほうももう少し“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
  “振り返り”にもようやく終わりが見えてきたような。

     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 夏真っ盛りの季節に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞご自由にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。