Re: 鵺の正体
新地 浩一郎
No.1541
すみません、さっきのURLでは見れなかったので、こちらのURLでどうぞ。
Re: 鵺の正体
No.1542
新地さん、お久しぶりです。このところ、鹿児島にうかがう機会が得られず、残念に思っています。
HP「南九州探訪記」をしばらくぶりに覗かせていただきました。トラツグミが鵺のモデルというのは知りませんでした。根拠は何なのでしょうか。写真で見る限り普通の鳥で、『平家物語』に出てくる鵺のイメージと異なるように思えるのですが?
それから、ご当地の伝統芸能に関する調査の方はまとまったのでしょうか。
鵺の「声」の正体
新地 浩一郎
No.1543
野口先生、こんばんは。
川辺町は加世田市・坊津町・大浦町・笠沙町と来年1月に合併する予定です。現在は合併前に未指定の文化財をできるだけ指定してしまおうという事で、細かい調査に入っています。
トラツグミは鵺の正体というよりも、鳴き声の正体と言ったほうが正しいですね。名前のとおりツグミの仲間で、古い呼び方で「ヌエ」ともいいます。夜行性で、夜中から明け方にかけて口笛のような「ヒー」とか「ヒョー」という、か細い悲しげな声で鳴くのですが、この鳴き声と妖怪の鵺の鳴き声が似ていた、という事で、野鳥関係者は観察会などで必ずと言っていいほど「鵺=トラツグミ」という話をします。
秋に取り組んでいた永田日送踊りですが、やっとビデオができましたので、近いうちに送らせていただきます。ごらんいただいて、色々とご意見をお聞かせいただきたいと思います。皆さんにご指摘いただいた座頭の足袋の色については、地元の方々に色々聞いているのですが、これといった答えは返ってきておりません。今回の事業で伝承者の方々といい関係ができましたので、気長に研究を続けたいと思います。
源頼政の鵺退治。
No.1560
トラツグミがいつの時代から鵺と呼ばれるようになったのかが分かれば面白いですね。中世からなら、妖怪じみたものの現れる場所は、実はトラツグミの生息地であったなんてことが言えるかも知れませんね。ひょっとしたら神楽岡も、そうだったりして。
>山田先生。拙著『武家の棟梁の条件』P48にも書きましたように、呪的武芸の担い手としての源頼光のイメージは、12世紀末の貴族社会には広くいきわたっており、その嫡流として源頼政が大内守護などの職務をにない、また『平家物語』において鵺退治の主人公とされることになったりしたようです。中世後期に成立した伝承の背景はこんなことも考慮する必要があるのだろうと思っているのですが。
Re: 鵺の正体
No.1567
トラツグミがヌエと呼ばれるようになったのではなくて、『古事記』や万葉の時代から「ヌエ」と呼ばれていた、夜鳴く鳥の正体が、トラツグミのことだろうと言われているのですね。詳しくは、山口仲美「怪鳥ヌエの声」(日本語学1985年5月)などをご参照ください。
ヌエが合体獣を指す様になるのは『平家物語』あたりからです。『平家物語』でも、二種類あるヌエ説話のうち、片方は合体獣ではない単なる鳥です。