「人生、一寸先は闇」

No.14165

 ついに昨日、清文堂出版から拙編『中世の人物』第二巻「治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立」が届きました。宅急便の箱を見て、ここ数年間の懸案の一つがようやく解決されたようで一瞬ホッとさせられました。各章の執筆者をはじめ、多くの方々の御助力を頂いたことに、あらためてお礼を申し上げる次第です。ほんとうにありがとうございました。
 しかし、喜びも束の間でした。
 本を出すたび、いつも完成後に思わぬミスが見つかってひどく落胆させられますので、今回、校正には慎重を期していたつもりでした。ですので、今朝になってから冗談のつもりで「いつものように、完成してからパッと気がつく校正漏れがあったりして~」などと呟きながら本を開いたのですが、すぐに「あり得ないことなどはない」ことを思い知らされる羽目に陥ってしまいました。
 自分の書いた冒頭の総論を読み始めたところ、中学生でも分かるような、とんでもない初歩的な誤りを見つけてしまったのです。すなわち、9ページの4行目に「政所別当和田義盛」などとあるではありませんか。御丁寧にルビまで振ってあります。視力の悪化が昂じて「政」という字が「侍」に見えてしまい、ルビも小さいので判読できなかったようです。校正の機会は三度もあったというのに情けないことです。「一事が万事」という言葉がありますが、こんなミスでも本全体の価値を損なうことは間違いありませんから、執筆して下さった皆様にも申し訳なく思っております。
 もはや、校正の機会を失いましたので、本書を入手された方には、よろしく訂正をお願い申し上げる次第です。
また、ほかに校正漏れなどございましたら、お知らせ頂ければ幸いです。

万雑公事-次回の『吾妻鏡』-

No.14211

 木曜日の『吾妻鏡』はだいたい19時頃までやっていますが、次回は18時半頃までとさせていただきます。ご了承ください。
 それでも三時間ちょっとになるんですね…我々ながらなかなか熱心ですね。

 日時:2014年5月29日(木)午後3時頃~午後6時半頃(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』頼家・実朝期の振り返り(元久三年、建永二年などの記事)

 ※まだまだしばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
  なかなか“振り返り”が終わらないですけどね。

     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 15:00ちょうどには参加者全員が集まらないと思いますので、だいたい揃ったところでぼちぼち始めていきたいと思います。集まるまでは雑談タイムです。
 
 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 初夏の頃に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞご自由にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

大番役を一面的に評価してはなりませんね。

No.14214

 何のことだか分かりませんが、まんぞうで9時くらいまでということなのかと?
 学界ではついに定着致しませんでしたが「『一所傍輩』のネットワーク」は後日必ず実を結ぶものと信じております。
 ちなみに、当ゼミには侍所はありませんし、着到もつけません。

 それにしても、上記の校正漏れは慚愧に堪えません。目下、私に「侍所」は禁句(泣)。
 そんな中、本日も校了一件。また、同じようなことにならなければよいのですが。

 昨日は講義中にドッと疲れを感じました。これまでは、授業が済んでからでしたが。「いよいよ」という感じです。
 つくづく千葉常胤や重源はエライと思います。

 さて、明日は安芸国に出向きます。

【追記】
 ☆ 青山学院大学の佐伯真一先生より、御高論「『義貞軍記』と武士の価値観」掲載の井上泰至ほか編『日中韓の武将伝』(勉誠出版)を御恵送頂きました。
 佐伯先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 東京大学の高橋慎一朗先生より、御高論「中世都市論」(『岩波講座日本歴史 中世2』)・「中世の沼地と都市-沼+港=沼津?-」(『年報都市史研究』21)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。