逃亡者、最悪の映画を見る

美川圭
No.1296

仕事から逃亡して、映画『赤い月』を見てきました。

最悪の映画でした。

主人公(常盤貴子)にまったく感情移入できない映画もめずらしい。さっさと死んじまえ、と途中で何度も思いました。

降旗監督というのは、こんなにだめだったかな。

肉欲だけの身勝手な女が、
生き残るドラマにしか見えませんでした。

延々と、アヘン中毒の男を救おうとするシーンが続くのも最低です。
肉欲が、その男を禁断症状から救うのですから、勝手にしろよ、という感じ。「私のなかで生きて」という台詞には笑ってしまいます。

その肉欲を子供に見られちゃうのですから、最悪です。

こんなひどい映画を久しぶりに見ました。
あの子供たちは、いったいどんな心の傷をもって成長するのでしょうか。
原作を読んでないのですが、映画とは違うんでしょうね。

満州引き上げは、単なる背景にすぎない。

登場人物もみな、薄っぺらでした。
感情移入できたのは、子供だけです。

こういう映画を、真に最低というのです。
くれぐれもカネを出して見に行かない様に。
たいして、歴史の勉強にもなりません。

やっぱり逃亡してはだめですね。
もう少しで、野口先生、論文仕上がりますので。

24時間闘えますか!

No.1297

 映画評論は山本君に任せるとして・・・。ちなみに、この映画の上映館は平田さんのバイト先でしょうか?
 
  精神の立て直しに映画を見に行く・・・という建設的精神を小生はそもそも喪失しております。もっとも、四条烏丸という美川先生の居住環境は恵まれているとは思いますが。
 本日はリゲインを飲んで、頭痛と闘いながら、日がな一日、論文初校の校正に取り組んでおりました。
 
 美川先生、御高論楽しみにいたしております。いずれ『古代文化』の巻頭を飾っていただきたいものであります。ちなみに、「平家と福原」特輯号の仮タイトルも全て集まりましたので、刊行委員会に近く「上奏」する所存です。
 
 美川先生、伊勢ではおおいに精神の洗濯をいたしましょう。宿舎は海に面しております。青岸渡寺の高木さんも参加されますから、補陀落渡海という手もありますが・・・。まあ、○○ヨットスクールか、野球くらいにしておきましょう。
 
 それから、美川先生。トップページに戻って『紫苑』第2号のPDF版を開いてみて下さい。熊野旅行の写真が御覧になれます。

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

山田邦和(花園大学・考古学)
No.1299

う~ん。
まだ見に行っていないんですが、「赤い月」、ダメなんですか・・・
常磐貴子さんの小ファン(大ファンまではいかない)なんで、ぜひぜひ見に行こうと思っていたんですが・・・

仕事が私の回りにうず高く堆積しています。逃亡すらできません。
映画鑑賞、「山本君・平田さん院試合格祝い・元木デー」、伊勢旅行、掲示板でくりひろげられる絢爛豪華・酒池肉林・驚天動地のイベントの数々を、いずれもうらやましく眺めているだけの山田でした。

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

美川圭
No.1301

>野口先生
熊野の写真見ました。ちょっと細部がわかりません。小生の写っているのでしょうか。確認できませんでした。

>山田先生
 ラストサムライみたいに、基本的に娯楽大作とは、異なり、
日本の満州支配、引き揚げてのは、重いテーマですよね。

 そこに、関東軍将校が常磐貴子の前の男。夫は関東軍とのつながりで発展した酒造業者。さらに新しい男になるのは、特務機関の特殊工作員、その男が阿片中毒になるわけ。それに新しい男を争うロシア人女性、なんて登場人物ですから、それぞれの背景が、また重く、複雑な歴史的背景をもっているわけです。

 そこにさらに肉欲がからまるのですから、ほんとうは相当に深い人間ドラマが、うまれるはずです。ところが、ちっともそういう深いドラマにならない。となると、これは脚本や監督が才能ないのか、呆けたのか、としかいいようがないわけです。すべてが消化不良です。

 よい素材が手に入ったのに、調理人のセンスが悪いので、むちゃくちゃになった料理って感じ。わかりますね。こんなんだったら、塩胡椒で味付けしときゃいいのに。あほたれが。

 常磐貴子も、せっかく、脱いで、大胆なあえぎ声出したのに、映画が不発ではご愁傷としかいいようがないです。この濡れ場、実に不快きわまりないものでした。

「赤い月」

No.1302

 私も見に行こうかな~と思っていたのですが・・・そのうち民放もしくはWOWOWで放送したときに見ればよさそうですね。(美川先生がそこまで酷評されると、それはそれで興味があります)満州は、私の祖父母が暮らしていた土地ですので、映画の内容もさることながら、その風景に興味があります。映像そのものは、テレビの宣伝で見る限りでは、結構キレイだったように思ったのですが、美川先生いかがでしょうか?
 私の本日の癒し系映画鑑賞は「ファインディング・ニモ」でした。ここで映画評をするような映画ではありませんので、内容については書きませんが、癒されます(笑)グレート・バリア・リーフに行ってしまいたい・・・!!!という感じで、ある意味、「ラスト・サムライ」よりも泣けますよ(笑)

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

美川圭
No.1303

>田中さん
そうでしょう。僕もなんで、こんなに腹が立つのか、
自分なりに、いろいろと考えているのです。

僕もテレビの宣伝で、よさそうだな、と思って見に行ったのです。家内と、こういう映画は、ぜひ若い人も行ってほしい、なんて話していたのです。いまは・・・とんでもない。
映像はきれいだったか、どうだったか、覚えていません。
登場人物の心があまりにも汚いので・・・・。

「ファインディング・ニモ」は子供と家内が見てきました。ほめてました。でも、行きたいと思えない種類の映画なんですよね。僕、まったくオーストラリアに興味がないのです。私の隣室の女史(熊野に行った吉田先生)は、オーストラリアに留学していたので、僕を一時オーストラリアびいきにしようと、いろいろその魅力を話してくれたのですが、けっきょく徒労に終わったようです。

逃亡者、人の陰に隠れる。

No.1304

 美川先生。写真は学生さんのデジカメ作品なので、われわれ老人の姿を探すのはなかなか難しいようです。美川先生の存在が確認できるのは、2日目の青岸渡寺の集合写真一列目と、全員で昼食のおそばを頂いているところなのですが、あいにく美川先生は滑川さんの後ろにスッポリと収まっておられるようであります。
 なお、本文の方も、ぜひ御笑覧ください。

「赤い月」論争参加

平田樹理
No.1307

 今日タイムリーにも「赤い月」を見てきたので、論争(?)に参加させていただきます。
>美川先生、私も多少期待して見に行ったのですが、主人公の常盤貴子にあまり感情移入できませんでした。夫を亡くし、終戦直後の混乱の中で子ども二人を育てる責任がありながら、なぜアヘン男を引き取る必要があるのか。「女」である前に「母」であるべきではないかと思うのは私だけでしょうか。子ども達の言い分に同情を感じえません。幼子(なかにし礼?)が列車に飛び込もうとする場面なんか、特に胸がつまりました。

>野口先生、本映画はウチではありません。「ラブアクチュアリー」というラブストーリーを扱ってまして、これがなぜかバカうけ。「もののけ姫」以来の大ヒットとなっております。いつもは閑古鳥が鳴く当劇場も、今回に限り溢れんばかりの人でにぎわっており、なかなか壮観です。一体何年ぶりのことか(笑)。
>田中さん、試験本当にお疲れ様でした。「ニモ」癒されますよね。ドリーのボケっぷりは、どこかの誰かを見ているようで人事とは思えません(笑)。
 

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

美川圭
No.1309

>野口先生
論文ほぼ書き終わりました。52枚ほどです。1章増えました。手直しと注などを整えて、金曜日ぐらいに、ご自宅へお送りできると思います。よろしくお願いします。

>平田さん
見てきたんですね、待ってました。
あのアヘン男、引き取るのいやですね。
ふざんけんじゃねえよ。
夫が収容所で死んだことを聞いた直後でしょ。

夫と冷たい関係であったことは、一応描かれていましたが、
それにしては、夫(香川照之)との再会の場面は、
いかにも不自然。
別れるときも、別れがたい感じだし。
もう少し、常盤貴子に、細かい演技を要求しないと。

なんで、常盤が、男におぼれるのか、わからんよ。
ただ、昨日はレデイースデイで、女性が1000円。
平日の昼間ですから、当然おば様たちが多く。
なかに、あのアヘン男のハンサムさに、
痺れたみたいなことを、
終了後話していた人がいたのが気になってはいます。

長年の夫との生活に疲れた女性が、
のめりこむタイプなのかいな。あの伊勢谷友介は。
それじゃ、男にはわからん映画ということになる。
あの死んでしまう夫は、
私と同い年の46というのも、不愉快だね。

それと、出征した息子はどうなったの。死んだのかな。
まったく、気にしている風もないが、夫の連れ子か。
どっかにそう描かれていましたっけ。


子ども達の家庭教師であった恋敵のロシア人女性を、
常盤が警察に密告し。
あの伊勢谷が、その女性の首を切り落とす。

ほんとうに嫌な映画。嫌なところだらけ。
思い出すだに、腹立たしい。

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

平田樹理
No.1315

>美川先生
 常盤貴子は個人的に好きなのですが、今回ばかりは嫌悪感すら抱きました。女である自分も、主人公の気持ちがよく分かりません。
 出征した長男のことですが、その後が全く描かれていなかったので私も気になっていました。なかにし礼公式サイトには、実子と書かれてありました。そのわりにはあまり気にかけられていなかったような…。
 余談ですが、「赤い月」はテレビ東京開局40周年記念2夜連続5時間ドラマとして、2004年4月以降放映が予定されています(私は見ませんが)。 主演は高島礼子、内藤剛志、寺脇康文、中村獅童(敬称略)です。伊勢谷が中村獅童…ちょっとゾッとしませんね(笑)。

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

美川圭
No.1319

>平田さん

何が問題かというと、やはり歴史の描き方なのだと思います。

関東軍とはどういうものなのか。その関東軍の将校が、前の男だし、その将校との関係から、夫と共に満州へ行くわけですよね。

そして、そこで夫は酒造メーカーをつくり成功する。
関東軍との関係での成功らしいが、満州で日本酒をつくって、どうやって大きくなったか。きちんとえがけばおもしろいはず。一種の皇民化政策かも知れません。

その間、夫との夫婦関係に溝が走るわけですが、
その仕事のやり口が関係ありそうですが、よくわからない。

それから、あの問題の男(アヘン男)は、特務機関員として、どんなことをやっていたのか。満州には、あの小沢征爾の親父みたいな人がいたわけですから、そういう得体の知れない人々が、いったいどのような活動をしていたのか。アヘンとの関わりはどんなものか。満州支配にアヘンをどう使ったかを、具体的にえがくこと。


満州におけるロシア人とは、どんな立場であったのか。どんなことをしていたのか。ノモンハン事件とか、日ソ中立条約とか、関特演とかあるわけですから。

とにかく、昭和20年の8月にならんとしてるのに、関東軍の将校にソ連軍の極東への輸送の情報が入っていないなんてことはありえません。シベリア鉄道は、軍用列車で数珠つながりだったわけですから。監督とか脚本家が、まったく歴史を知らないわけです。

ですから、ドラマも薄っぺらになるのです。まったくといっていいほど、歴史が描かれていない。

監督は、ステーションという高倉健主演の映画で有名な人ですから、汽車が好きなようで、列車がよく出てきますが、きっとその列車の考証もいいかげんでしょう。この辺は元木先生の領分でしょうが。

やっぱり、歴史は大切です。近代史の専門家でなくても、それくらいのことはわかります。

いろいろレス。

No.1324

 場違いな所なのですが、この場を借りてレスしたいと思います。
 
 先日の元木先生のカラオケには、ある意味、授業よりショックを受けました。まさかその歌の時代背景まで解説されるとは思いませんでした。また幹事の長村君には、いろいろとセッティングしてくれてありがとう&お疲れ様でした。ただ、長村君にカラオケの点数で負けたのが、残念でした。
 また佐伯さん、カラオケのレパートリーの多さには驚きました。またご一緒させて下さい。
 滑川さん、いろいろ気の済むまで歌えて本当に楽しかったです。また機会があったら行きましょう。ただ次の日は、動けなかったです(泣)。

>美川先生
 残念ながら「赤い月」は観ていないので、この論争に参加できません。この映画に関しては、全くのノーマークでした。常盤貴子が出るくらいは知ってましたが。劇場映画というのは、本当によく選んでで行かないとひどい目に遭うとお思います。散々長い話で引っ張るだけ引っ張といて、オチがつまらなかった瞬間は、言いようも無い怒りがこみ上げます(例・4年前に一応ヒットした『シックス・センス』など)。
すいません。今回はこの程度の感想しか言えません。

 ちなみに東宝公楽で以前上映していたお魚さんの映画の題名は、『ファインディング・ニモ』だったんですね。平田さんから聞くまで、てっきり『ファイティング・ニモ』かと思ってました。「戦う熱帯魚の映画ってどんな映画なんだ?ピラニアの映画?」などとお馬鹿な事を考えてました(笑)。
 
>田中さん・門屋くん
 試験本当にお疲れ様でした。田中さんは三月の終わりまで気が抜けないのは大変ですね。という訳で、伊勢旅行の運転は、代わりましょうか?(しつこい)
 まだ『平家物語』のCD借りっぱなしでした。ごめんなさい。
>広政さん
 今日はお疲れ様でした。電気ポットの使い方分かりましたか?
>末松さん
 ありがとうございます。去年はいろいろお世話になりました。また公開講座でいい情報があったらよろしく御願いします。
>野口くん
 ラストスパートです。くれぐれも風邪などひかないように、
また悔いのないようにがんばってください。なお疲れたときは、ドリンク剤です。本当に効きます(体験談)。
 

Re: 逃亡者、最悪の映画を見る

平田樹理
No.1332

>美川先生
ご教示ありがとうございます。
先生のおっしゃるとおり、歴史的背景をきちんと描ききれなかったということが失敗の最大の理由なのでしょう。しかも、作り手が意識していない、そこが問題に思えます。

確かに、お金を払ってまで見る映画ではないですね(苦笑)。

なかにし礼の「兄弟」

山田邦和(花園大学・考古学)
No.1334

「赤い月」、なかにし礼の原作なんですね。

それで思い出しました。なかにし礼は「兄弟」ってのを書いて、それが一昨年だったかにテレビ朝日のドラマになってました。
なかにし礼役が豊川悦司、その兄役がビートたけし。
作曲家の豊川が、兄のたけしにさんざん金をせびられ、骨の髄まで食い物にされる、という話でした。
兄が死んだ時、「兄さん、死んでくれて本当にありがとう」と豊川がつぶやくのが、まさに救いようのない暗さで、印象に残っています。

それにしても、このなかにし礼って人、満州では好き放題生きる母親に翻弄され、日本ではハチャメチャな兄に迷惑をかけられる、ということですかね。まったく家族運の悪い人ですね。

こんなことを覚えていたのは、豊川の最初の恋人役をやっていたのが、わが最愛の工藤静香さんだったから。
おかげでじっくりと見入ってしまいました。
静香さんの悲しそうな表情が、ドラマの暗さとぴったりマッチしていました。