近藤好和著『源義経』ミネルヴァ書房刊
No.1105
近藤先生、ありがとうございます。夜の放送でぜひ見たいと思います。面白そうなので、ビデオにとっておく必要があるかもしれませんね。
昨晩、NHKの番組について虚心坦懐に述べさせていただきしたが、「総合」と「教育」での違いということも制作者側の頭にはあるのかとも思いました。
小生、やたらと一般の市民云々と書きましたが、そうした歴史意識を放置して、「王権」のような「高尚な」議論にのみ価値を見出し続けていた「学者先生」(時に、自治体史などの事務担当者が研究者を揶揄する意図で用いる呼称です)こそ、元木先生の御指摘のとおり、反省すべきことなのでしょう。
となれば、市民に向かって大いに研究成果を還元しなければならないわけですが、それこそ来年の大河ドラマを視野に入れて先鞭をつけられるのが、近藤先生がミネルヴァ日本評伝選の一冊として書かれる『源義経』でしょう。大いに期待するところです。
このお仕事があるので、近藤先生には『古代文化』福原特輯号への御執筆を「強要」しなかったのですが、もし宜しければ、「一ノ谷合戦における戦闘形態」のようなタイトルで研究ノートでも御検討下さればと思います。
なお、ミネルヴァからは、元木先生の『源満仲・頼光』が近く刊行、そして美川先生の『後白河天皇』も予定されていて、実に楽しみなことです。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
No.1109
今朝偶然高木さんの家のテレビで番組、拝見しました。
パッと「明日のナージャ」(←アニメです)からチャンネルを変えると清盛の顔のアップがばば~んと目にとびこんできたので思わず二人でテレビに目がくぎ付け状態でした☆笑
それまで布団で寝ぼけていたのですが一気に目が覚めました・・・
絵巻に描かれた合戦の様子を見つつ先日からこのBBSでも話題になっている「ラストサムライ」のワンシーンを思い返していました☆
それにしても全体のほんの一部である断片14枚のうち8枚しか所在がわからない・・・しかも世界各国にバラバラに保管されているなんて・・・もったいないです。
おまけ:色彩の復元にはAdobeIllustratorのソフトが使われていましたね。あれだけの絵巻の復元は本当に地道な作業です。
ようやく原稿もそろったことですし、私も地道に「紫苑」の編集がんばります。。。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
美川圭
No.1113
近藤先生のおかげで、夜の再放送を録画し、いま見ることができました。おもしろかったです。NHKはこういう番組もできるのですね。近藤先生、お教えいただき、ありがとうございました。
こういうのを録画してみると、やはりHDDとかDVDに録画できる機器がほしくなります。普通のカセットデッキだと、色落ちしてしまい残念です。
それにしても、原本は断片にして、茶掛用に売られたのでしょうか。茶の湯がさかんになった江戸時代にはよくあるようです。とすると、個人蔵で、まだまだどこかに秘蔵されているかもしれません。
私も、以前、冷泉家時雨亭叢書の公卿補任解題を担当したとき、ちょっと俊成・定家筆「補任切」の所在を調べたことがあります。ほんのちょっとですが。そのときのことを思い出しました。
風邪で寝ている時に見ました
No.1114
別のところで、建築彩色の復元をされている方と関わりがあるのですが
色を扱うのは本当に難しいものと感じます。特に、アナログ的なデータである絵をデジタルにする時に、原本のすばらしさとそれを違う媒体に変換するときの情報量の欠落にむなしさを感じます。
複製を簡単に作れることに対して批判は多くあります。
しかし、番組の中でもありましたが「誰でも簡単に本物(に近いもの、雰囲気をある程度再現している)に触れる事ができる」という事は、本物の良さをより理解するためにも必要だと思います。
番組の中では、技術についてかなりすばやく解説がされていましたが、あれほどのものを完成させるのは本当に大変でしょうし
テレビの小さな画面でしか見られなかったのが残念でした。
P.S.あれは、ハイビジョンでもやってたのでしょうか?
デジタル放送もそろそろ本格化するみたいですが、
原理的にデジタル放送は、画質の劣化無しに記録出来ます。
(売り手原理でコピー防止機能が無ければの話ですが)
そういう機材が気軽に買える値段に早くなって欲しいです。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
No.1115
いろいろとNHKが批判をあびておりますが、まずは『平治物語絵巻』の復元に関してです。新日曜美術館の担当の方のお話ですと、昨日放映されたのは、数年前にハイビジョン・スペシャルとして作った番組のダイジェスト版のようなものだそうです。(私もどういった番組だったか、あまり記憶にありませんが。)それで、特に公開云々の話はないそうです。すべてPCの中にしかなく、残念ながら、どこかに展示されているとかいったことはないとのことでした。
NHKにおいては、野口先生もおっしゃるように、総合と教育の違いは大きいようです。ですが、今回、元木先生がお怒りになっているのは、ことNHKに留まらない、マスコミ全体とマスコミを取り巻く我々の問題のようにも思います。というのもどうも、生活のあらゆる面で、歴史が軽視されているように思います。学校教育の現場でも、出版されるものを見ていても、そう思われてなりません。
作家の方の書く、単純再生産型の歴史物はまだ罪が浅いかもしれません。例えば最近、新書で織田信長をめぐる本が二冊ばかり出版されました。講談社現代新書『謎とき本能寺の変』と集英社新書『信長と十字架』ですが、一見ちゃんと論じているように見えながら、トンデモ本に近い内容のようです。(前者は読みましたが、素人の私にも、これでは足利義昭をよいしょするのは無理ではないかと思われましたし、後者については、それまでの論争の経過を多少は知っているので、なんで信長を殺したのがローマ法王になってしまうのか、不思議でなりません。)『本当は怖ろしい万葉集』なんかもあります。こうしたトンデモない解釈に対しては、どこがダメなのか、なぜダメなのか、それよりも面白い歴史の姿とはどんなものなのかを、それこそ研究者の方々と編集者・番組制作者が一体となって創っていかなければならないはずです。
しかし現状は、トンデモ本がいったん受け入れられ、通用してしまうと、信憑性はともかく、面白くて読者受けするのならばいいじゃないか、そっちのほうが、売れるし、視聴率もかせげるゾとなってしまっていますよね。本が売れないといわれる現状では、編集者には選択肢があまりないのかもしれません。視聴率をかせげないと食っていけない番組制作者も同様です(NHKでさえ)。こうなると、どうしても真面目な研究が軽視されるようになってしまうのでしょう。さらに、えてして、そうしたトンデモ本のほうが、書き手が速く書くのでどうしても流通にのりやすいのかもしれません。教科書問題なんかを見ても、出版社と編集者の姿勢と見識が今こそ問われている時代はないように思われてなりませんが、全体の問題としても、今は岐路にあるようにも思われます。
石浜さん、そのとおりなんです
美川圭
No.1118
先ほど、別れた元木先生と話していた話題も、そのことでした。石浜さん。そのとおりなのです。
いっぱしの一流とされている大学の教授が書いたんだけれでも、内容はもうどうしようもない本が、かなりあるのです。
それを、まともに読むのは、あるいは正面切って批判するのはわれわれは馬鹿馬鹿しいと思うのだけれども、それをしないと一般にはわからない。あるいは学生にはわからない。もっと言えば、ちょっと分野の違う学者にもわからない。さらにいえば、専門としている学者でもわからない。
だから、やはりやらねばならない。という結論です。
元木先生は、NHKブックスで、某北の方の有力大学の教授(どこで読点をうったらいいかわかりますね)の本を、徹底的にやるそうです。こうご期待というところです。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
No.1120
野口先生、あまりプレッシャーを掛けないで下さいよ(笑)。大河ドラマにあわせて刊行できれば、それは売れるかもしれませんが、逆に大河ドラマごとき(!?)に振り回されるのもシャクな気がします。ドラマと共に消えてしまうような本ではなく、やはり後に残る本を書きたいものです。
石浜さん、情報、ありがとうございました。かつてハイビジョンで放映したものでしたか。ハイビジョンの機械は家にはありませんからね。DVDもまだですから。それにしても、復元が公開されていないのは残念です。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
山田ちさ子
No.1121
近藤先生 みなさま こんばんは。山田ちさ子と申します。
ハイビジョンで撮影された元番組、BSでも放映されていました。
「よみがえる平家物語~デジタルで読み解く絵巻の謎」という題名でした。
番組の中では「年中行事絵巻」なども再現されていました。
同じシリーズに「よみがえる源氏物語」もあります。
歴史学の反省
No.1122
当方が若干顔を出させてもらったおかげで、番組の実態がわかり、学問の危機が痛感できました。石浜さんも仰るとおり、きちんとした学問は、慎重ゆえに遅いし、また厳密ゆえに分かりにくい面があります。ただそれだけならいいのですが、なかには分かりにくいことを誇るかのような方もおられるようです。
また、美川先生のご発言のように、むちゃくちゃな研究が、あまりに馬鹿らしいために、相手にされず、結果としてまかり通る面もあります。学界自体が信用を回復すべく、自浄する必要があるし、学者は一般読者のニーズや水準を理解した上で、書物を著すべきでしょうね。英雄・豪傑が歴史を作るわけではありませんが、人々が興味を持つのはそこなのです。今の学界は、だから大衆はおろかである、人民の歴史を勉強させよう、という発想ですから、歴史離れも当然でしょう。国民の物語も消滅し、新しい教科書云々の会が跳梁するのではないでしょうか。英雄・豪傑の歴史は面白い。しかし、たとえば平氏のように、栄華を極めたものが劇的の崩壊するのはなぜか。そこから、個人の思惑を超えた歴史のメカニズムを導くことができるように思います。少なくとも、当方はそうした認識をベースに叙述を心がけているつもりです。
ともかく、今度の17日、「王権がどうたら・・」仰っている方の書評を致します。よろしくお願いいたします。
石浜さん、それも、保元・平治の乱執筆の一環ですので。
Re: 復元・『平治物語絵巻』
No.1124
昨年の11月、『エコノミスト・ミシュラン』という本が出ました。私がNHKブックスを書いていただいた先生も執筆者の一人に名を連ねていますが、経済学者とその著書を、それこそミシュランのように滅多切りにするというものです。経済学の場合、そのよって立つ理論によって学派がはっきりとわかれているようで、この本はリフレ派と総称されるグループによるものですので、やはり他の派からすれば異論もあるようです。また元木先生のおっしゃる本とはかなり主旨がずれますが、ただ、日本史にまつわる数々の本を、もうちょっと控えめかつ公平な視点で個別にミシュランしていくというのは、あるのかなと思います。問題点がある本ならば、その問題点を冷静に指摘する、あまり知られていないが、とても内容のいい本に光をあてるなど、いろんなことができるように思います。一冊ごとに論じていくので、各先生方の負担もそれほどではないかもしれません。いかがでしょうか。
大河ドラマをあてこんで、というのは、近藤先生もおっしゃるように、かなりむなしい作業です。先生方に書いていただく動機としてはとてもいいのですが、もはや、大河ドラマ関連だから本が売れる、ということはあまりないようです。もはやたんなる創作ドラマなわけですから、それに関連して知識を広げようなどという殊勝な読者はいないのかもしれません。NHK出版では、毎年毎年、ドラマ・ガイドとドラマ・ストーリーというのをつくっていますが、この売れ行きを左右するのは、もはや主役のタレントでしかないようです(つまり、去年は売れなかったが、今年は売れている)。そんな時代です。
ビデオテープをいただきました。
No.1127
ここで話題になっているNHKの番組のビデオを、山田ちさ子さんが、当ゼミに寄贈してくださいました。あつくお礼申し上げます。御覧になりたい方はご利用下さい。
近藤先生の仰ることは本当にその通りですね。御矜持の高さに敬意を表します。NO.1000の元木先生の御発言を、そのまま受け取ってしまいました。
小生など、卑俗な人間ですから、何かきっかけがないと、なかなか執筆の手が進みません。ですから、「源氏と海のネットワーク」というテーマで執筆予定のNHKブックスやミネルヴァの『北条時政』は、けっこう大河ドラマに後押しされているところがあります。
それから、石浜さんが仰るのなら、大河ドラマと、同じ時代のことをテーマにした本の販売部数の相関はないのかもしれませんが、博物館の特別展やカルチャーセンターの講座など、大河ドラマがらみで沢山企画されるのも事実でしょう。「北条時宗」の時もずいぶん本が出て、今でもいわゆるコミケ系とか言われる人たちの間では、北条氏ブームの余韻がのこっているようです。ですから、大河ドラマが自分の専門とする時代をテーマとしているときは、自分の研究成果を社会還元する良い機会だと考えるわけです。史学科で日本史を専攻している学生さんの進路選択には、だいぶ大河ドラマが影響しているということは周知のとおりですし。
しかし、『北条時政』もそうですが、人物史は、評伝として割り切らないとかなり難しいですね。もちろん、小生が書くのはNHKブックスが先ですが。
原稿が欲しい!
No.1128
たしかに、大河ドラマもなかなか捨てたものではないですね。歴史物の出版社にとっては、大切な年中行事ですし。大河がなければ、村井章介先生がNHKブックスを執筆していただくことはなかったかもしれません。ただ、なにも大河に便乗しなくとも、私がお願いしている先生方は素晴らしい原稿をきっと書いてくださると信じております。元木先生、3月が楽しみです。野口先生、首を長くのばしてお待ちしております。後は……。業務連絡に使って、申し訳ありませんでした。