総合教育科目の授業の質問

平松麻衣
No.1036

ずいぶん前の話なんですけど、大鏡とかのところやっている時に、四鏡はほんとはみっつだっていうのを先生がおっしゃっていたように思うんですけど、あれは私の聞き間違いだったのでしょうか・・・。『だいこんみずまし』と覚えていたので、どうしても気になって・・・。ほんとならテストの前に直接お聞きすべきなのにすいません(>_<)

大鏡・今鏡・水鏡・増鏡それに『吾妻鏡』

No.1038

 平松さん、こんばんは。今年度の後期には、総合教育科目を4コマも担当していたので、どの講義での話だったのか、ちょっと記憶にありませんが、きっと『吾妻鏡』の説明の時に、「鏡」というのは歴史を表していて、名前に鏡の字のつく本は、これこれがありますよ。・・・みたいな話をしたのだと思います。『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』ですね。『吾妻鏡』は文学作品としては評価する対象になっていませんから。 もし、三つだと言ったというのなら、誤りなので訂正しなければなりませんね。ただ、歴史の資料として使う場合、『水鏡』は相当落ちると思います。なにしろ12世紀末に成立したのに、神武天皇から仁明天皇(9世紀)までの話ですから。それ以外の本は、史料として取り上げられることがあります。とくに『増鏡』については、当ゼミメンバーの長村君が政治思想史の視角から研究対象にしています。それにしても、平松さん、このHPを御覧いただいてありがとうございました。よかったら、ゼミの方にもどうぞ。ゼミ旅行も参加者募集中です。
 それから、長村君、何かコメントがあったら、お願いします。

Re: 総合教育科目の授業の質問

長村祥知
No.1044

文化史学専攻の生半可な知識ですが、ご指名がありましたので事情を推測してコメントさせていただきます。

まず、歴史物語(←明治以来の国文学研究者の呼称。日本史の側では、坂本太郎氏が「物語風歴史」と称しておられます)という概念があります。これには研究者によって、「鏡もの」以外にも『六代勝事記』『五大帝王物語』や『梅松論』、江戸時代成立の『月の行方』『池の藻屑』を含めることがあります。
次に、「鏡もの」について。
野口先生のおっしゃるとおり「四鏡」は、『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』を総称してこう呼びます。
しかし『水鏡』を、他の三作品が独自性を有するのにたいして、あまり重視しない傾向がありました。
というのは、平田俊春氏が実証されたように、『水鏡』は『扶桑略記』(平安時代の漢文歴史叙述)を抄出して仮名にしたものだからです(平田俊春『私撰国史の批判的研究』参照)。

平松さんが聞かれた、「ほんとはみっつ」というのは、内容のオリジナルという意味で、四鏡のうちの『水鏡』を除いた三作品ということではないでしょうか。
(でも、この書き込み、先生の発言とは全然関係ないかもしれないですね)

無意味ついでに、『水鏡』の史料性・独自性について。
>ただ、歴史の資料として使う場合、『水鏡』は相当落ちると思います。なにしろ12世紀末に成立したのに、神武天皇から仁明天皇(9世紀)までの話ですから。

上述したように、『扶桑略記』の仮名版ですから、漢文か仮名かというのは表現形態の問題であり、その意味で「事件」史料としての信憑性は『扶桑略記』と同レベルです。
ただし、
①『水鏡』にあって、『扶桑略記』に無い記事があることから、(準)逸文として想定できなくも無い。
②近年、『水鏡』の文学性について、『扶桑略記』そのものではない独自の表現を評価すべき、とする提唱がある(尾崎勇氏だったように思いますが、失念しました。間違っていたらすいません)。
③『水鏡』冒頭の「四劫観」が、末法思想の説明によく引用される。
等から、「思想」史料としてはそれなりに評価すべきではないでしょうか。

平松さん、本HPをご覧の先生方(含、修論執筆し終わって時間のできた田中さん)から訂正が入ると思いますので、そちらをご参考にしてください。

以上、蛇足と誤解の多いコメントでした。

田中さん、お疲れさまでした。

No.1047

 さすがは長村君、たいへん勉強になりました。例の「王権」、行き詰まっていますので、また何かありましたら、教えてください。
 それから、田中さん、修論おわりましたか。まあ、一息ついて、次なる目標へ、というところですね。
 院試の人は、まだしばらく落ち着かないかも知れませんが、こういうせっぱ詰まった状況でもないと、ちゃんと勉強しなかったりするところが人間にはあるものですから、絶好のチャンスだと思って立ち向かいましょう(ほとんど、自分に言っているのですが)。

Re: 総合教育科目の授業の質問

平田樹理
No.1048

長村君>読ませていただきました。歴史物語などで分からないことは長村君に聞けば一発ですね!野口先生のコメント同様、私も勉強させていただきました。
野口先生>おっしゃるとおりです。勉強のチャンスを与えられたと思って、頑張ります。

ありがとうございました(^^)

平松麻衣
No.1054

先生私の書き込み見てくれたかなぁ~?ぐらいに思いながら掲示板を開いてみたので、すごいたくさんの返信をして下さっていて正直びっくりしました!! 本当にありがとうございます(^o^) ちなみに私は木曜①の受講生です。聞いたことのない単語とかもあったんですけど、わかりやすく説明してくださっていてとても勉強になりました。こんなすてきなゼミの生徒がいて先生も幸せですね☆ 私もせっかく京都にいるんだし、もっと歴史に触れながら生活していこうと思います!すごい未熟者の質問に親切に答えてくださってほんとにありがとうございました。

あと、、、

平松麻衣
No.1055

先生のゼミにも興味があるのですが、私は短大で、部活もしているんですけどかけもちは可能でしょうか???

非常勤ゼミメンバーも歓迎。

No.1056

 当ゼミメンバーは多様な人たちで構成されておりまして(だから、幹事が苦労する?)、史料講読会だけとか、研究発表に時々とか、もっとはっきりしている人は、ゼミ旅行だけとか、そういう人もおられます。一度、のぞきに来られたら、どうでしょうか。短大の人では、これまでに、立命館大の国文学科に編入した人とか、京女の史学科に編入が決まっている人。まだまだ、将来をどうしようか考えている人などなど、様々な先輩がおられます。
 くわしいことは、大史3回の永富さんに問い合わせたら、親切に対応していただけます。赤い字の永富さんの名前をクリックしてメールを送信してみてください。

呼ばれたようなので・・・

No.1063

はじめまして。大史三回の永富です。
ゼミに興味を持たれたとのこと、嬉しくおもいます。
もしよろしければ一度ゼミを見学にきてくださいね♪お待ちしています。またもしなにかわからないことなどあれば遠慮なく質問してください。ご希望があれば恒例の「ランチタイム説明会」を開催しますよ♪お友達も誘ってぜひどうぞ!!

遅くなってすいません(>_<)

平松麻衣
No.1107

わかりました!どうもありがとうございます(^^)