埼玉県の熊谷・深谷に行ってきました。

No.10239

 昨日は埼玉県深谷市の川本公民館で「畠山重忠のイメージと実像」と題する講演を行ってきました。前日から出発したのですが、大雪に遭遇して、なかなか面白い経験をすることが出来ました。

 東海道新幹線では予定の列車より先に到着した自由席車両に飛び乗ったので、名古屋まで立ち乗り。「名古屋で座れるだろう。まぁ短い距離だから」と判断したのですが、その名古屋までが徐行運転でしたから、想定外の長時間の立ち通しとなりました。其の後、静岡県の東部辺りからまた徐行。さらに品川駅から東京駅までの僅かな区間でさらに15分の遅延という次第で、約1時間遅れで東京着。いつもとは逆に、空席だらけの山手線や京浜東北線が何本も通過していきました。

 この調子では熊谷にたどり着けるかどうか心配したのですが、東京駅で邂逅した高校以来の親友のアドバイスに従って上越新幹線を選択したところ、自由席はガラガラの上、猛吹雪の中を爆走して定時運行。持つべきものはよき友だちであります。

 しかし、熊谷駅に降り立つと、、そこは一面銀世界というよりも豪雪地帯そのもの。まさに雪の中を抜き足、差し足でなんとかホテルに辿り着き、「やれやれ、熱いお茶でも一服」と思ったのですが、そのホテルには驚くべきことに湯沸かしもポットも無い。イタリアに行ったときの苦労が再現されることになりました。

 さて、当日。
 講演会場のある川本公民館は秩父鉄道の武川(たけかわ)駅の近くなので、武川まで出る必要があるのですが、秩父鉄道はしばらく動きそうもないので、当初の予定どおり、熊谷寺の見学を決行。荷物を駅のコインロッカーに預けて、雪の中を歩きました。なかなか見つからなかったのですが、なんとか到着。しかし、大雪の降り積もった境内に入ることは断念せざるを得ませんでした。帰途、大通りに出ると、チェーンを巻いた熊谷駅行きのバスが走ってきたので、これに乗り込んで帰り道の困難は回避することができました。しかも運賃は100円と安い。公共交通はこうでなくてはいけません。京都は高すぎだと言わざるを得ません。

 ケータイ電話というのはこういう時は便利で、主催者から講演会の決行と、秩父鉄道がまだ動いていないから、高崎線の次の駅である籠原まで出て、そこで待つようにとの指示がありました。幸い、高崎線は籠原までは動いており、たまたますぐに到着した列車に飛び乗りました。

 籠原の駅では、雪に埋もれて閑散とした南口でしばらく待ちましたが、その間はこの駅前広場を根城にしている野良猫二匹が遊んでくれました。どこに行っても猫さんにはお世話になります。

 そうこうするうちに、スタッドレスタイヤを装着した女性職員の方の運転する軽自動車(この方の自家用車)が迎えに来て下さり、川本公民館に到着。主催者である教育委員会の方々の御挨拶を頂きましたが、みなさん雪かきの作業で大変そうでした。

 それにしても、こんな何十年ぶりかの大雪で、電車もストップしているという中、どれだけの方がお出でになるのか、かなり疑問視しており、場合によっては、このまま何もせずに引き返すことになるのではないかと懸念していたのですが、その予測は見事に裏切られ、開会の30分くらい前から、続々と車でたくさんの方がやって来られて仰天。その中には、私がかつて千葉県の高校で教員をしていたときの教え子もおられました。雪道の運転は危ないので御夫君を運転手に来られたとのこと。実に30年ぶりの再会でした。彼女からは、私がすっかり忘れていた、私の人生にとって大収穫となるような、ちょっといい話を伺うことが出来て幸せでした。

 こんな大雪なのに、ほとんど満席に近い方たちが聴きに来て下さったのは、ひとえに地元の方たちの「畠山重忠」に対する思い入れの深さの結果であるように思いました。

 先般の小山市における講演といい、地元の方たちの先人に寄せる思いは大変熱いものかあるようです。こうした情熱には歴史研究者としての使命感を突き動かされるものがあります。

 月末の小山市の調査が、楽しみになって来ました。先般お世話になった、その小山市の若い職員の方も、遠路はるばる今回の講演を聴きに来て下さっていました。

 それにしても、雪中の講演会を実現して下さった深谷市教委生涯学習課の皆様には、あつく御礼を申し上げる次第です。

 帰りは車で深谷駅までお送り頂き、熊谷と東京で上越・東海道新幹線に乗り替え、夜遅くに帰宅することが出来ました。

 写真など、またFacebook の方に貼り付けたいと思っております。
編集:2014/02/10(Mon) 11:16

帰国しました

No.10240

 野口先生、皆さん、『紫苑』12号の入稿もお任せしてしまい、申し訳ございませんでした。野口先生はご講演へのご出張もお疲れ様でした。

 私も先ほど帰国致しました。
 写真なども整理しまして、13日のゼミのときにでもご報告等させていただければ幸いでございます。おみやげもちょっとあります。

 日時:2014年2月13日(木)午後3時頃~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。「授業がない期間にも史料読みたいな…」という方は、まずは見学からでも、どうぞご自由にご参加ください。
 京都女子大の方限定ではありませんよ。