清文堂出版『中世の人物』全三巻の刊行について。

No.10146

 出版社の事情で、しばし滞っていた清文堂出版『中世の人物』全三巻のシリーズの出版が、来春ようやく実現しそうです。
 元木泰雄先生編の第一巻『保元・平治の乱と平氏の栄華』は、すでに表紙のゲラが出ています。Facebook(https://www.facebook.com/home.php?clk_loc=7#!/minoru.noguchi.39)に、その写真を貼り付けておきました。ゲラを同じ大きさくらいの本に巻き付けて撮影したものです。同じく元木先生の編になる『古代の人物 第六巻 王朝の変容と武者』を並べて撮影してみました。通読すれば摂関期から平氏政権期までの政治史が最新・最高の水準で楽しめるという次第。

 せっかくですから、下に目次を掲げておきましょう。
編集:2013/12/31(Tue) 15:15

『中世の人物 京・鎌倉の時代』第一巻『保元・平治の乱と平氏の栄華』総論・Ⅰ 鳥羽院政と保元の乱

No.10147

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  『中世の人物 京・鎌倉の時代』第一巻『保元・平治の乱と平氏の栄華』
 保元・平治の乱と平氏の栄華                   元木泰雄
  
      Ⅰ 鳥羽院政と保元の乱
 鳥羽院・崇徳院-崇徳院政の夢                  佐藤健治
 藤原忠実-辛酸を嘗めて中世を切り開いた摂関家家長        佐古愛己
 藤原頼長-苦闘する大学者                    横内裕人
 平忠盛-都鄙で広がる京武者の舞台                守田逸人
 源為義-保元の乱における実像                   須藤 聡
 覚仁と信実-悪僧論                       久野修義
 阿多忠景と源為朝-その伝説と実像                栗林文夫
   コラム1  王家の乳母                    野々村ゆかり

Ⅱ 平治の乱と後白河院政の成立 

No.10148

      Ⅱ 平治の乱と後白河院政の成立
 後白河院-暗主の波瀾万丈の生涯                 高橋典幸
 藤原忠通と基実-院政期摂関家のアンカー             樋口健太郎
 信西-中世を開いた稀有の天才                  木村真美子
 藤原信頼・成親ー平治の乱と鹿ヶ谷事件              元木泰雄
 藤原経宗-拷問を受けた有職の公卿                元木泰雄
 源義朝-最初の武士の棟梁                    近藤好和
   コラム2 院と芸能者たち                   辻 浩和
編集:2013/12/30(Mon) 16:23

 Ⅲ 平氏の栄華

No.10149

      Ⅲ 平氏の栄華
 平清盛-「おごれる」権力者の実像                川合 康
 池禅尼と平時子-平家の後家たち                 栗山圭子
 平時忠と信範-「日記の家」と武門平氏              松薗 斉
 藤原邦綱とその娘たち-平清盛の盟友/近衛家の忠臣        佐伯智広
 平重盛-一門栄耀の反照                     平藤 幸
 西行-秀郷流故実の継承者                     近藤好和
   コラム3 京武者たち                     元木泰雄
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 素晴らしい執筆陣です。私はゲラで通読させて頂きましたが、論文以上の価値を持つような力作ばかり。もし年内に出版されていたら、今年で最高に勉強になって、しかも面白い本と評価したところでした。「この本がもう少し早く出ていたら、もっとよい卒論が出せたのに」という恨みの声も聞こえてくることでしょう。
 販売価格は本体4500円の予定とのこと。ボーナスやお年玉から、その分は差し引いて用意しておかれるとよいと思います。
 後続の第二巻・三巻も着々と編集作業が進んでおります。
第二巻 野口 実編『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』
第三巻 平 雅行編『公武権力の変容と仏教界』