『坂東武士団の成立と発展』が出来ました。

No.10084

 今朝、戎光祥出版のご厚意によって再刊された『坂東武士団の成立と発展』が届きました。
 予想していたよりも分厚くて、立派そうでした。まさに新装開店の趣。
 明日の日本史研究会の大会会場で販売が開始されるとのことです。
 定価は6000円ですが、学会での販売ですから2割引になると思います。
 学生さんにとっては高価だと思いますが、旧版が4800円でしたから、30年間の物価上昇を考えると・・・、いかがなものでしょうか。
 再刊ですから、旧版段階の校正漏れを正しただけですが、装丁・印字が新しくなってかなり読みやすくなりました。それから、「再刊にさいしてのあとがき」も加えました。ここには旧版刊行後に著したこの本のテーマ関係する書籍・論文の一覧も付してありますから、お役に立つと思います。例によって、「あとがきファン」の御期待に添うべく執筆したつもりです。
 再刊ですので(それに「慳貪」なので)、献本は身近な方などにとどめさせて頂きますが、中世前期の武士に関心を持つ多くの方々にお読み頂ければ、私も生まれてきた甲斐があったというものです。
 いろいろ思いの込められた(曰わく因縁のある)本です。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 なお、再刊ばかりで新著の執筆が滞っておりましたが、ようやく15年前にご依頼頂いた本の原稿が書き終わりました。目下、図版を整理しているところです。
 これまで長くお待ち頂いた、有名なカリスマ編集者に「ダメ出し」を喰らうのを恐れておりますが、近いうちになんとかこの本も世に出したいところです。
 大宰少弐に任じた藤原保昌から、大宰府の府官たち、鎮西平氏・薩摩平氏や島津忠久など平安中期以降の九州における武士の活動を主なテーマにしています。

 Facebook(野口実)に写真を貼りました。
編集:2013/10/11(Fri) 14:11

モーゼに導かれるが如く-次回の『吾妻鏡』-

No.10085

 野口先生の御高著『坂東武士団の成立と発展』が再刊されることとなりましたのは、まことにご同慶の至りです。
 先生が蓄積してこられたご研究は、これまでに刊行されたご著書からも伺うことはできます。しかし、このたび再刊されました最初の論文集に凝集された成果を、これから武士のことを勉強してみようという方にはとくにご覧いただきたいと、僭越ながら私もお祈り申しあげる次第です。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年10月17日(木)午後3時頃~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。ようやく秋らしくなってきた季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞ「ご自由に」ご参加ください。
 京都女子大の方限定ではありませんよ。