ラスト・サムライ見てきました

美川圭
No.1008

美川です

みなさんの話題を楽しみつつも、
論文とか、本の校正とか、学生の卒論指導に追いまくられ、
レスがつけられないでおりました。

それらが一段落したので、今日ラスト・サムライ見てきました。

おもしろかったですねー。

とにかく内なるナショナリズムをかきたてられる映画でした。
途中で思わず、うっ、となってしまう自分を恥じつつ周りを見ると、泣いている人がかなりいました。

学生を引率してアメリカ行っていたとき、テレビで日本人むけの日本の山河をうつしたコマーシャルみたときの感じに近いですね。

「日本人」はこんなにすばらしかったんだ、と騙されちゃいけないぜ。
こんな理想郷や勝元みたいな理想的な「武士」なあんてどこにもいやしないぜ。

でも、「玉砕」とか「特攻」とか「みごと散ります国のため」なんて心性の源がよく描かれていました。小泉首相が感動するわけです。
きっと小泉首相は、あれをみて、イラクへ行く「自衛隊」という名の「日本軍」に、あの勝元の率いる武士団をかさねたことでしょう。

「武士道とは死ぬこととみつけたり」は18世紀はじめの『葉隠』の文でした。
いくさもない時代となって、武士のありかたが理想化されてんです。
死と直面してない戦国時代の武士のだれが、そんなばかなことを考えますか。
戦国時代の武士は、いかに死なないかばかり考えてます。

イラクの自衛隊は死に直面しますが、首相は直面しませんから。

しかし、あの勝元というのは、何者なんだ。
新政府の参議に任じられているらしいし。
明治天皇には直接会っていて親しそうだし。
西郷隆盛あたりが、一応のモデルなのかなあ。

あそこには「男色」がないと。
あのなよっとした天皇を、むくつけき勝元が後ろから抱きしめるシーンがほしい。
それがないと、なぜ、あんなに親しそうな意味がわからない。

実は、あの天皇は、一方であの大村(だったかな)という西洋かぶれの高官ともできてる。
つまり、天皇をめぐる男同士の同性愛のドラマ。
天皇は、どっちにしようか迷っているんです。

トムクルーズという異人さんがやってきて、この男同士の愛憎劇の新たな展開が、悲劇をよぶ。
勝元は戦死し、大村は天皇から嫌われ、最後に天皇はトムクルーズといい仲になる。これが太平洋戦争の敗戦後、つまり戦後だね。

こう見ちゃ駄目でしょうか。

作っている人は、まったくそんなこと考えてもいないでしょうが。
見てない方も、私の感想を読んでから見ると、もっと楽しめるかもしれません。

Re: ラスト・サムライ見てきました

美川圭
No.1011

自己レスです。

>死と直面してない戦国時代の武士のだれが、そんなばかなことを考えますか。

当然、

死と直面している戦国時代の武士のだれが、そんなばかなことを考えますか。

です。おわびして訂正します。

Re: ラスト・サムライ見てきました

なめかわあつこ。
No.1012

なめかわです。
私は年末に見に行きました。
美川先生同様、色々な意味で面白かったです。

ナショナリズムを再生産しているような映画でしたね。
内容には期待していませんでしたが、ビジュアル的には
非常に楽しめました(渡辺謙と真田広之)。
正月は過去の大河ドラマ「独眼竜政宗」を再放送してい
ましたね。この二人は「舅と婿」で競演していたんですね。

神戸での近藤先生のお話の通り、真田広之の兜(バイキン
グみたいな兜)には吹き出しそうでした(笑)。
あんまり言うとネタバレしそうなので、このくらいにして
おきますが、美川先生の「男色」視点、面白いですね。
逆にこちらの方が現実味ありそうですね。
渡辺謙演じる勝元は、先生が思われている通り、西郷隆盛
がモデルだそうです。となると最後の戦いは西南戦争なん
でしょうね。しかしトムは日本の鎧兜が全く似合わなかっ
たですね。当然といえば当然なんでしょうけれども。
映画を見た時、感動して泣いている観客は確かにたくさん
いました。特に若いオネーチャンが。
久々に映画館に行って思ったのが、映画館でのマナーの悪
さです。携帯電話の電源オフあるいはマナーモードに切り
換えない人が多いようです。しかも電話鳴って出るヤツも
いるし(怒)。暗い映画館の中でのディスプレイは非常に
目立ちます。携帯電話の「罪」なトコロですね。
かくいう私も携帯電話所持者なので気をつけようと思いま
す。気の利いたレスが出来ず申し訳ございません。

私も見ました。

No.1013

美川先生、滑川さん、神戸ではお疲れ様でした。ラストサムライ、私も正月に遊びに行った秋田で見ました。はっきり言ってファンタジー、どこの国の話だと言う感じです。じつは私はSF(特にスタートレックシリーズ)の大ファンなのですが、SFの概念にパラレルワールドと言う概念があります。あの映画が日本のことだとすれば、それはパラレルワールドの日本のことですな。ただ、サムライ=刀という観念は、欧米人には受け入れやすいのではないかと感じました。なぜならば、欧米で勇敢な戦士に相応しい武具といえば敵に肉薄する刀剣だからです。中世ヨーロッパの騎士やスタートレックのクリンゴンをみれば明らかでしょう。サムライ(武士)=弓箭などいう観念は、欧米人には違和感があるようです。欧米人にとっては弓箭は戦士の武具ではないのです。

しかし、どんなに現実離れしていても、武士論研究者として
相応しくないとしても、私はあの映画で描かれていたようなサムライが心情的には大好きです。ただ、映画を観て泣きはしませんでしたが。

Re: ラスト・サムライ見てきました

美川圭
No.1014

なめかわさん、さっそくのレスありがとうございます。

おっしゃるように、映像的には、なかなかのものでした。
合戦シーンも迫力がありました。
「日本の村」の風景も、きれい。
小雪も、いかにも外国人好みの「日本女性」ですが、
しばしうっとりできるし(彼女172センチあるそうです)。

昔、「戦国自衛隊」という角川のSF映画がありました。
自衛隊が、戦国時代にタイムスリップして、
結局、近代兵器の燃料切れで、
自衛隊が皆殺しになるんだっけな。
今回と逆のケースです。
けっこう意外性があっておもしろかったのを覚えてます。
たしか、半村良の小説が原作。
それを思い出しました。

というのも、明治初期というには、
出てくる武士が、戦国時代なんですよね。
幕末の武士の雰囲気じゃない。
つまり、300年近く、タイムスリップした感じ。
近代初期と中世末が、時空空間の異常によって、
接触してしまったんでしょうか。
そんな違和感を感じさせる映画でした。
もちろん、戦国武将は玉砕戦法はとりませんから、
ありゃ、実際には大戦末の日本軍でもあるわけですが。

それにしても、小生は戦争で死ぬのだけはごめんです。

近藤先生主演のラスト・サムライ

美川圭
No.1015

なめかわさんのレスをしていたら、その間に、
近藤先生のレスが・・・・。

SFのパラレルワールドとは、やはり同じような、
感じをうけられたようですね。

実は、もうひとつ、恥ずかしながら考えたことがあります。

それは、武士道おたくのトム・クルーズの代わりに、
武具研究の第一人者である近藤先生が、
戦国時代にタイムスリップする映画をだれか撮らないか。

現代人ではあるが、武具に異常に詳しい近藤先生と、
現実の戦国武将(実際には源平時代の方がいいが、
営業的にはやはり戦国時代かな)が出会ったら、
どうなるんか。
両者のやりとりはおもしろいだろうな。

そして、合戦シーンでは、
Tシャツをお召しの近藤先生が、
とうぜん鎧兜姿で
大活躍。大迫力。
見たいなー。

こんなばかなことばかり考えているので、
仕事がはかどらんのです。

まだ見ていませんが...

No.1017

ラストサムライはまだ見ていませんが、
まさかこの掲示板でスタートレックの話が出るとは思いませんでした。(僕も、大ファンでビデオを撮りためています)

クリンゴンが食べている食事でよくミミズが出ますが、イカやタコなどを食べる日本人は、同じように見られているんだと実感です。説明>(http://www.m-nomura.com/st/aliens-c.html#klingons

携帯電話の件ですが、案外若者はマナーモードのままだったりで、操作方法を余り知らないおっちゃん達が電車の中でも大きな声でお話しているのが多い気がします。

P.S. SW展ではなくST展を京博でやってほしいものです。

映画評パート1『ラストサムライ』

No.1018

やっとこの掲示板で映画評のスレッドができましたね。

さて、先日自分も『ラストサムライ』を観てきました。
感想から先にハッキリ言いますと、期待外れでした(時代考証などツッコミ所がたくさんある意味では楽しめますが)。まず、問題は映画の基本とも言えるストーリ構成です。
明治初期の日本の最後の武士と荒くれアメリカ人との魂との交流という設定は、まあおもしろいですが、話自体に何のひねりも落とし所も全く無く、観ていて「えー、これで終るのか」と思ってしまいました。途中で話やオチが見えてしまうのは、映画の作品としての深みがなくなってしまい、失格の部類に入ると思います。これではせっかくの渡辺謙の演技の魅力が半減してしまいます。また真田広之の出番が少なすぎ!別に真田広之でもなくてもよかったような役柄でした。一応、見せ場とか涙もののシーンはあって、周囲の人は泣いていて一応の効果は発揮してましたが、その泣かせるシーンというのは日本人には弱いツボを押さえているだけだったような気がしました。あれなら、昔日本テレビ系列で放送していた『白虎隊』や『田春坂』を観た方がいいような気がしました。バックに変な映画音楽使うよりも、堀内孝雄の『愛しき日々よ』を流せばもっとお涙頂戴ものになっていたでしょう(笑)。ちなみに自分も、映画代をのことを考えると、ある意味泣きたくなりました。
またこの作品の監督(名前は知りません)は、大の黒沢映画ファンで、特に『七人の侍』が好きだったそうです。それで自分なりに「時代劇」映画を作ったということです。しかし、黒澤映画の大きな魅力である映画作品としての「深み」や「落とし所」という重要な要素が全く欠けていました。外国人に日本の時代劇を作るのは無理だとは言いませんが、もうちょっと「時代劇」の「深み」を勉強して欲しいものだとおもいました。また近藤先生がご指摘されるように、やたらと「刀」を強調するシーンが多く、この点から、「この監督の日本に対する意識って、『フジヤマ・芸者レベル』なのか」とついつい考えてしまいました。またこの映画のCMで、ある女性客が「この映画を観て、日本人である事に誇りを憶えました」と言ってましたが、あの映画で日本人の誇りを感じるのはどうかと思います。もっと小津映画や黒澤映画など観て、日本人としての誇りを感じて欲しいと思います。
敢えてこの映画に副題を付けるとしたら『世界ウルルン滞在記スペシャル-トム=クルーズ、日本で侍に出会う~。』(下条アトム風)と付けます(笑)。最近「グローバリゼーション」と叫ばれて久しいですが、映画の世界まで、特に時代劇まで「アメリカナイズ」されてしまうことに少し危惧を憶えます。
かなり身分をわきまえず酷評をしましたが、自分の中では、オススメできません。
長くなりましたが、また映画を観に行ったら報告します。

Re: ラスト・サムライ見てきました

美川圭
No.1019

山本さん、こんにちわ。

かなりきついですね。

私は、映画の基本がストーリーという点は、
少々疑問を感じます。

映画の基本は、「絵」じゃないでしょうか。
山本さんが高い評価をされている黒沢や小津作品、
ストーリー性としては、なんてことない作品も多いと思います。
さらにいえば、時代劇に「深み」がいつも必要だろうか。
私は、この作品が映画史上において、「傑作」といえるとまではいいませんが、かなりの成功作だと思います。

絵がきれいで、迫力がありますから。

しかもハリウッドの映画ですから、興行的に成功しなけりゃならないし、ということはたくさんの観客をよぶ魅力がなければ。その意味でも成功でしょう。

『フジヤマ・芸者レベル』はかなりクリアしてると思います。
少なくとも、日本人が作っている、最近の大河ドラマよりは、かなり上でしょう。

私は、ハリウッドの底力を感じたのですがいかがでしょうか。

Re: ラスト・サムライ見てきました

No.1020

いやー、盛り上がってますねえ。

美川先生、では、馬上で大太刀でも振り回しますか。治承・寿永期ならば弓箭ですけど。それにしても、男色で思い出したのですが、勝元が謁見した時の天皇の姿、肌小袖に大口に白足袋を履いていました。あの姿で足袋はいただけませんが、それはともかく、肌小袖に大口とは束帯の肌着姿ですよ。しかも、いくら散切り頭とはいえ冠を被らない露頂。あんな姿、よほど親密な人の前じゃないとしませんよ。やっぱり天皇は勝元と男色関係にあったのかも。そういえば、勝元の妻の話は全然でませんでしたね。その意味でも男色?

鈴木君、野口ゼミにもトレッキーがいると分かって、うれしいですよ。クリンゴンが主食にしているミミズみたいな食べ物は、ガーフですね。それにしても、クリンゴンは、名誉を重んじる点といい、バトラフ等の刀剣で戦う点といい、欧米人がイメージする日本人のイメージにダブりますね。ただし、クリンゴンはロシア人がモデルという説もあります。実際、クリンゴンでは自害は名誉ある死ではありませんよね。自害ではストボコーへは行けませんから。なお、フェレンギも日本人がモデルという説もあります。ところで、ST展は私の中に企画があります。ジーンロッテンベリーが描いた「未来史」として、是非歴博あたりで実現したいと考えています。では、とりあえず、鈴木君、カプラ!

山本君、美川先生も仰るように厳しい見方ですね。私は映画論はできませんが、娯楽としては面白かったと思います。

実は、今日見てきました。

No.1021

コンピュータが専門で、もちろん武士論については素人の知識ですが、
見終わった後は、山本さんと似たような想いです。

朝にスターウォーズ展を見てから昼に行ったのですが、エピソードⅡのジェダイナイトとバトルドロイドの先頭シーンとオーバーラップしてしまいました。
映画としては、やはりストーリーが大事だと僕は思います。
商業的にも、予算等で実現できないシーンとかもあるでしょうし(SFは脳内で補完しないと、模型のちゃっちさが気になってしまいます)、映像を作った人間が何を伝えたいかを知るためにやはりストーリーだと思います。理解力が無いのか、ラストサムライで何が言いたかったのかわかりませんでした。ホラー的な興奮はありましたが、僕的に泣けるほどの場面は無かったです。

迫力はさすがにありました。(馬がばたばた倒れるシーンなど)ハリウッド様々です。
マカロニウエスタンのように、結局はメリケン時代劇という事になってしまうのでしょうか。

スタートレック話ですが
クリンゴンは自害というよりは、特攻するのが名誉の戦死でしたね。ロシアがモデルというのは、アメリカの冷戦の敵としてのイメージだと思います。宇宙大作戦時代は別として、新しいシリーズは明らかに日本人でしょう。ST展が開催されるときはボランティアででもお手伝いします(^o^)V長寿と繁栄を!

恐縮してしまいます(汗)。

No.1023

美川先生から反論を頂いて、盛り上げてしまう事になるとは思っていませんでした。先生から論争を挑まれてしまうとは、何とも恐縮してしまいます(汗)。てっきり先生のおっしゃっていた「おもしろかったですね~。」というのは、時代考証的にツッコミ所満載という意味でおもしろいのかと。当方が意味を履き違えていました(泣)。それと、1500円払って観に行くので、それなりの代価を映画作品に求めてしまう自分の考えがありまして、「せっかく1500円払ったのに」という鬱憤と世間でやけにこの映画を激賞するので、「いやちがうぞ!異議あり!」というふうに一人蜂起を起こしたのですが・・・。以下の意見も、なけなしのお金を払って観に行った者の意見としてお聞きください。
でも先生からの反論に対して自分なりの意見を申し上げたいと思いますので、よろしく御願い致します。
まず一つ目の映画の基本はビジュアル(絵)かストーリー(話)かという御指摘ですが、自分は映画の重要なファクターは、「話」でもありますし、先生御指摘の「絵」でもありますし、また映画音楽、そして監督の手腕であるとも思っています。これらのファクターのバランス、もしくはどれにウェイトを置くかで映画の完成度が決まると思います(ただこの議論を突き詰めていくと、白か黒かの論なり、結局個人の価値観や好みの問題に収斂されてしまいます)。自分の上記の文章では、「一番の基本は話だ」というふうに受け取られがちですが、別にビジュアルを軽視している訳ではありません。ただ『ラストサムライ』に関して言うと、特筆すべきビジュアルがなかったので敢えて触れませんでした。先生の御指摘のこの映画における「ビジュアル的美しさ」というのは、自然の美しさであって、別に映画の技術によるものでも、監督自身が持っている独自の美学・美的センスでもない気がします。依って自分にはその点も評価できませんでした。特に映画の場合、映像という限られた空間・フレームの中での「絵・ビジュアルの美しさ」というものは、ただ性能の良いレンズを使ってきれいに映像を撮るものとは違うと思っています。『2001年宇宙の旅』のキューブリックや『ベニスに死す』のルキノ・ビスコンティなどの映像の独自の美しさは、単に自然や客体が持つ美しさというより、監督が独自の美学センスを持って、それをフレームワークの中で表現していると思います。しかし、『ラストサムライ』においては監督の美意識らしきものは、見られませんでした。あの映像の美しさは、自然や寺院といったカメラの客体にある属性の美しさであって、監督自身の美的センスではないと思います。またビジュアルだけがどんなに美しい映画でも中身がなかったら、それはそれで問題だと思います。例えば見た目はおいしそうな料理でも、食べたら不味かったというのと同じでことにはならないでしょうか。
また黒澤映画と小津映画の作品は、もちろん全ていい作品だとは思っていません。ただCMを見て、あくまでも日本の良さを感じることができる映画は何かなと考えて出したまでです。でも映画史上に残る映画が多いのもまた事実です。
ただ「深み」の点ですが、映画に於ける「深み」をこの映画に求めたのですが、それを時代劇に於ける「深み」に求めてしまいました。それはいつも必要かと言われると、そんな必要は無いと思います。しかし、先生の御指摘で行きますと、ハリウッドの底力=ビジュアルと迫力だけという図式になります。従ってハリウッドの底力はそれだけになってしまうと思います。
最後にハリウッド映画の宿命なんでしょうが、興行収益の点です。この点も自分は、先生の御指摘はむしろ疑問で、興行収益の良さ=映画の良さなのでしょうか。むしろこれも映画≒興行収益と考えるべきではないでしょうか。興行的に成功した映画は、やはり一時的成功に過ぎないのではないのでしょうか。逆に興行的に成功したいが為に、迫力とキャストで動員数を確保するというのは、ハリウッド映画の良くやる常套手段です。どうしてここまで、この映画を酷評するのかは、上記の経済的貧乏根性に原因があるのですが、仮に話の点を割り引いたとしても、自分の中では評価できないのです。それはおそらく時代劇として観たからもあります。しかし単純に戦闘シーン一つ取っても、エキストラが多いだけでイマイチでした。金に物言わせて作ったというハリウッド映画の悪しき習性が如実に出ていた気がします。
長々と意見を言いましたが、ビジュアルの点でも、またストーリーの点も特筆すべき点がなく以上の酷評になった次第です。
以上が先生の反論に対する自分なりの意見です。失礼を承知でレス致しました。
ついつい映画に対しては厳しいのは自分の習性だと思います。

やはり反論します

美川圭
No.1024

山本さん、反論ありがとうございます。

>>>>ただ『ラストサムライ』に関して言うと、特筆すべきビジュアルがなかったので敢えて触れませんでした。先生の御指摘のこの映画における「ビジュアル的美しさ」というのは、自然の美しさであって、別に映画の技術によるものでも、監督自身が持っている独自の美学・美的センスでもない気がします。依って自分にはその点も評価できませんでした。特に映画の場合、映像という限られた空間・フレームの中での「絵・ビジュアルの美しさ」というものは、ただ性能の良いレンズを使ってきれいに映像を撮るものとは違うと思っています。『2001年宇宙の旅』のキューブリックや『ベニスに死す』のルキノ・ビスコンティなどの映像の独自の美しさは、単に自然や客体が持つ美しさというより、監督が独自の美学センスを持って、それをフレームワークの中で表現していると思います。しかし、『ラストサムライ』においては監督の美意識らしきものは、見られませんでした。あの映像の美しさは、自然や寺院といったカメラの客体にある属性の美しさであって、監督自身の美的センスではないと思います。またビジュアルだけがどんなに美しい映画でも中身がなかったら、それはそれで問題だと思います。例えば見た目はおいしそうな料理でも、食べたら不味かったというのと同じでことにはならないでしょうか。


ここんところ、どうしても同意できませんね。
どういう素材をえらび、どのようなアングルで、どのような色彩で撮るか。これは監督がすべて仕切れることでもないけれど、重要な映画のファクターです。
ラストサムライの「絵」が個性的かどうか、議論がわかれるところでしょうが、私は美しいと思いました。自然だと思いました。しかし、それは自然そのものの美しさではありえません。どんな光のもとで撮るか、どう光をあてるか。それらも含めて相当高度な映画技法です。ただレンズがいいだけでは撮れません。
僕は昔、けっこう8ミリを撮っていたのですが、いくら自然が美しくても、なかなかうまく映像として美しく撮れませんよ。
これはスチールカメラでも同じですが。これだけの絵が撮れるというのは、ハリウッドの底力だと思うのです。

料理を比喩に出されるのは、よくわかりません。映画は食えませんから、見ることしかできません。

まあ、あなたが美しくないといわれるのをむげに否定する気はありませんが、僕も自分の美意識については、それほど自信がないわけではありません。個性的ではない美しさもあるんですよ。僕もどちらかというと個性的な美を好みますし、小雪さんの美は、いかにもとは思いますが、でもそれも美の一つのかたちなのです。

それから、興行収益と映画との関係です。
これは、現在のハリウッド映画の場合、かなり決定的でしょうね。もうからなけりゃどうしようもない。ただし、収益の良さが映画の質と比例するなんて思ってません。ハリウッドで映画作るんだったら、客がはいらなけりゃ。その点で矛盾をかかえているのは当然ですが、それは資本主義の矛盾でもありますから、ことは簡単ではありません。ハリウッドは、芸術劇場ではなく、映画産業なのです。それも60~70年代、一度質を追求しすぎて、倒産しかかった経験をもつ。

ご意見ありがとうございました。

No.1025

美川先生、ご意見ありがとうございます。しかも、先生がレスされた時間が、自分がレスした一時間後というのにはビックリしました。ずっとお待ちだったのでしょうか?レス遅れしまい申し訳ありません。

まず先生の御指摘の同意できない部分ですが、当然、この映画を製作するにあたり、技術上のプロセスは存在すると思います。それがなくては映画としては成り立ちませんから。
従って、自分はこの映画の映像の美しさに、当然監督の技術が反映していたことは否定しませんし、また舞台となったニュージーランドの自然の美しさまで否定はしていません。ただ、既述したように、映画の映像として、特筆すべきものではなかったということです。そして先生もおっしゃっている「私は美しいと思いました」という言葉が意味しているように、この段階で、この問題は、個人の価値観・美意識の次元に還元されしまうということです。依って、先生が御指摘の上記の自分の意見に納得いかないのは、当然の帰結だと思います。ある対象物に、普遍的美を感じるか、個性的美を感じるかは、当然主観の問題です。この次元は、もう議論の範囲を越えしまいます。
ただ、ハリウッドの底力は、映像美だけに収斂されてしまうものではないと思っています。そういう意味では、この映画はアンバランスではないかと思います。
また映画作品と興行収益の関係ですが、資本主義という利益優先型社会の中では、「売れてナンボ」の傾向になるのは当然だと思います。ただ、ここで自分が主張しておきたかったことは、このような利益優先社会の中で、映画作品の質の問題です。これは映画のみの問題ではなく、芸術、文学など、一般的に資本主義社会の利益とはダイレクトに結びつきにくい分野にも言えることですが、ただ売れれば成功=良い作品という傾向に、少なからず疑問を覚えている事です。ここが難しい点であり、テーマを深遠なものにしたり、芸術性の高いものにすると、興行的に失敗するというのは、古今東西何処でも見られることです。映画は娯楽なので、楽しめればそれでいいのですけど。ただ、その意味(娯楽映画)でも、この映画は楽しめなかったので、今回のレスをした次第であります。
今回の先生のご意見をお聞きして、いろいろ失礼な面もあったと思いますが、いろいろ気づかされる事もありました。ありがとうございました。しかも一学生の意見にレスをして頂けるとは。当方はかなり頭を使いました。また他の分野(歴史学方法論など)やテーマで、議論させていただきたく思います。その時はまたよろしく御願いいたします。
ただ武士論を勉強をしていて、武士の心性などに考えが及びませんでした。野口先生すいません。

>元木先生
 元木先生には、昨年度は二つの授業に潜らせていただいきま した。本当にありがとうございました。この場を借りてお礼 を言うのはなんですが、本当に勉強になり、今後の自分の血 と肉にしたいと思っています。今後ともよろしく御願いしま す。
>近藤先生
 ご無沙汰しております。昨年は多田神社ツア-ではお世話になりま した。今年もよろしく御願いいたします。
 元木先生のご提案の歌合戦には参戦なさるのでしょうか? 

こちらこそ今年もよろしく。

No.1029

私もカラオケが好きなので、是非参戦したいのですが、無理っぽいですね。

Re: ラスト・サムライ見てきました

No.1037

山本君、そこまで言ってもらえれば教師冥利というものです。
優れた卒論を期待しています。また、映画の話だけでなく、学問でも大いに先学に論争を挑み、その壁を乗り越えるようにご研鑚ください。
ところで、歌合戦はどなたか設定していただけるのでしょうかね。当方、今から喉飴にトローチを購入し、耳鼻科の診察を受けて、喉を調整するようにします。

歌合戦

No.1045

>ところで、歌合戦はどなたか設定していただけるのでしょうかね。

元木・野口両先生間の使者を勤めました縁で、私長村がとりまとめをさせていただきます。
というわけで、皆様(近藤先生も是非!)ご都合のつく日時(曜日とか、1・2・3月の上・中・下旬等でも結構です)を当方までご連絡ください。
とはいえ、野口ゼミの主力には院試を受ける方も多いので、二月の後半から三月にかけてになるでしょうか。

それと、私は、今はつぶれた同志社近くの店と四条河原町近辺の1・2のカラオケ屋しか知らないので、場所のご希望もございましたらお願いします(ご希望が無くても、ほとんど知らないので、どなたか店教えてください)。